Bitter Chocolate
2008 / 04 / 17 ( Thu )
今、大学で『Child Labor(児童労働)』というテーマで書いている論文の資料を探していたら、偶然見つけた新聞記事があまりにショッキングだったため、テーマを『Child Slavery in Chocolate Industry(チョコレート産業における児童奴隷)』に変更しました。 そして、辿り着いたのがこの本。 カナダの女性ジャーナリストが長期にわたる現地取材を含めてまとめており、内容は驚くべきもの。 欧米で作られているチョコレートの原材料として、西アフリカ・コートジボワール産のカカオが使われているのですが、そこのカカオ農園では、近隣国(特にリマ)から売られたり、誘拐されて連れてこられた8〜15歳ぐらいの子供たちが、賃金はおろか、充分な食事や睡眠も与えられず、日常的に殴られるなど虐待を加えられて強制労働させられているのです。 コートジボワールの警察はもちろんこのことに気づいているけれど、カカオはこの国の重要な産業で、その利益の2/3は税収となるので、この便利で低コストな奴隷をやめさせられるわけがない。 搾取された金は一体どこに流れるのか? 児童奴隷を陰で牛耳っている人物は本当は誰なのか? それを突き止めた白人記者たちは、行方不明や銃撃の的に…… 今日もまだ続くカカオ農園の児童奴隷。 彼らはチョコレートを食べたことはもちろん、自分たちが何を作っているのかさえ知らないのです。 (ちなみに日本製のチョコレートのほとんどは、ガーナ産のカカオを使用しているそうです) ★★★★★ ↓日本語版も出ています。
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3月のライオン
2008 / 04 / 16 ( Wed )
小さい頃に事故で家族を亡くした17歳のプロ棋士・桐山零と、彼が偶然知り合った下町の古い家で肩を寄せ合って暮らす3姉妹。 それぞれに深い悲しみを抱えていながら、それでも前向きに生きる姉妹と、すでに人生を諦めてしまったかのような零が関わっていく中で、少しずつ少しずつ心がほぐれていくような、優しくて温かいお話です。 何度も泣かされます。 お盆のお話や、零くんが自分のことを『かっこう』だと言うシーンなど、涙ボロボロです。 舞台が東京の下町(川のある風景が懐かしい!)というのもいいですね。 世の中みんな、こんな人ばかりだったらいいのになぁ。 対局のシーンもプロ棋士さんの監修の元にきちんと描かれていますので、将棋好きな方にはもっと奥の深い作品になるでしょう。 おすすめです!! ★★★★★ |
予知夢
2008 / 04 / 15 ( Tue )
『探偵ガリレオ』シリーズの2作目。 今回も短編集。 一見心霊現象や超常現象のような事件に、じつはきちんと物理的トリックがある、というもの。 科学トリックだけだった前作に較べると新鮮味に欠けるし、まぁ、ありがちな話で、しかも短編なので、どれも物足りない感じです。 ★★★☆☆ テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
探偵ガリレオ
2008 / 04 / 14 ( Mon )
偶然あり必然あり、事件のトリックや鍵がどれも科学現象というミステリで、私にとっては新鮮でした。 一話一話がとても短いのだけれど、どれも上手くまとめられているなぁと思いました。 様々なカラーで、膨大な量のベストセラーを生み出している作家さんですが、読むのはじつはこれが2冊目。 初めて読んだ作品がつまらなかったので、10年以上もずっと遠ざけていました。 でもこの作品で、また読もうかなーという気持ちにさせられました。 ちなみにドラマは観たことがないので、比較できません。 ★★★★☆ テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
Scene from the Movie Giant
2008 / 04 / 13 ( Sun )
メキシカン・アメリカンの詩人、ヴィラヌエヴァの詩集で、一冊まるごと映画『ジャイアンツ』の、ほんの10分あまりのシーンについて書かれています。 『ジャイアンツ』といえば、ジェームス・ディーンやロック・ハドソン、エリザベス・テーラー出演のアメリカ映画。 人種差別も色濃く残る、第一次世界大戦後の東部が舞台の人間ドラマです。 問題のシーンにジェームス・ディーンは出演していませんが、当時白人男性のシンボル的俳優・ハドソンが「おまえ、人種差別すんなよ!」と殴り合いの喧嘩をして負けてしまいます。 この映画を14歳の時に初めて観たヴィラヌエヴァが、何年経っても脳裏から離れないたった10分のシーンへの怒りや悲しみが込められた詩集で、冒頭はさざなみのような悲しみが、だんだんと爆発的な怒りになっていく力強い作品。 ★★★☆☆ |
Gary Soto: New and Selected Poems
2008 / 04 / 12 ( Sat )
メキシカン・アメリカンの詩人、ゲイリー・ソトの詩集。 『New and Selected』とサブタイトルにあるように、どれも厳選された素敵な作品ばかりです。 詩人としてだけではなく、編集者として、また作家としてたくさんの作品を送り出しているソト氏。 本業であるこの詩集では、思わず声を立てて笑ってしまうようなユーモアと、暖かな家族愛、光溢れる未来への希望が満ちています。 そして、どこかチクリとする部分も。 彼のヤングアダルト向け小説も読みたくなります。 ★★★★☆ |
ボクとオレのカワイイあの子
2008 / 04 / 11 ( Fri )
好きな作家さんのコミックを、今日は格安で見つけたのでゲット♪ 合田くんをめぐる恋のライバルは高校時代からの腐れ縁。 けれど合田くんには大学で知り合った志塚という想い人がいて、また志塚には……という、なかなか思いどおりにいかない恋愛模様。 でも、決してジメッとしてなくて、切ない部分も含めてみんな仲良くカラッと描かれている点に好感が持てます。 ★★★☆☆ |
ガダラの豚(全3巻)
2008 / 04 / 10 ( Thu )
日本推理作家協会賞受賞ということでミステリに分類しましたが、ホラーのようなアドベンチャーのようなお話。 第1巻では例のTBS事件や某カルト教団事件を皮肉ったものであることが明白で、「おいおい、大丈夫だったんかいな」と、出版当時(1990年半ば)のことを思うと、少々心配になりますね(笑) 第2巻はアフリカ・アドベンチャーツアーのTV番組を見ているみたいです。 そして第3巻は、もうドタバタ血みどろの殺戮激。 それでも随所に筆者のユーモアが満載で、映画を見ているようにノンストップでページを捲ってしまいます。 さらに、ラストのラストでは、涙ホロリ。 うっわ、なんなんだ、この作品!? と、第1巻がややスローテンポだっただけに、第3巻では心拍数上がり気味でした。 経済大国な島国ニッポンや、マスコミに対する風刺もいっぱい。 できることなら出版されてすぐ、リアルタイムで読みたかった作品です。 トータルで ★★★★★ ![]() テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
もっとすごい! このミステリーがすごい!
2008 / 04 / 09 ( Wed )
ぎゃはー! また買っちゃった!! 『このミス』20周年記念ということで、20年の総括ベスト10と、人気ミステリ作家さんへのインタービューが読みたくて!! バックナンバーと重複する部分が多いですが、それでも『ベスト10』には満足かな。 欲を言えば、海外ミステリの原題もわかるとよかったなぁ(って、『このミス』では毎回思うのだけどw)。 ★★★★★ テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
機長からアナウンス
2008 / 04 / 04 ( Fri )
大の飛行嫌いのため、ホラー感覚で手にした本ですが、トリビア的要素も満載で、とても興味深いエッセイでした。 私も乗り物好き、機械好きなのでそういう意味で共感する部分が多く、特に『パイロットにはバイク好きが多い』という部分に納得しました。 私も16歳で免許を取ってから、妊娠するまでの10年以上、仕事に趣味に、と、ほとんど毎日オートバイに乗っていたため、一時はジェットコースターも全く怖くありませんでした。 よく「バイク、怖くないの?」と人に訊かれましたが、この感覚は著者が『スピードに置いて行かれると感じると怖い。常に自分が先を予測していればジェット機のスピードすら遅く感じる』みたいなことを書いていて、ああ、なるほどなぁ、いいことを言うなぁ、と思いました。 航空運賃が高い理由や、スチュワーデスの実態なども面白かったですが、なんといっても“乗り物を操るのが好きなオッサン”的視点からの話が一番面白いですね。 『乗客に飛行機酔いをさせないため、気流の悪いところを、激しく揺れることを覚悟でスピードを落とさずに突っ切る(=乗客は恐怖のため酔う余裕もない)』という一節では、「ヤラレタッ!そうだったのか、ちぇっ!」と、思わず叫んでしまいました。 ……たぶん私は、飛行機が怖いのではなく、自分以外の人間が操縦する乗り物に乗るのが怖いんだと気づきました(笑) パイロットが身近に感じられ、飛行機がほんのちょっぴり怖くなくなった……カモ? (著者は2006年12月に癌で亡くなったそうで、残念です)
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