■ 慢性濫読 ■

ミステリ多めの読書メモ。児童書からラノベ、洋書と何でも読みます

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『サン=テグジュペリ―大空をかけぬけた「星の王子さま」の作家』鈴木 一郎/黒沢 哲哉

サン=テグジュペリ―大空をかけぬけた「星の王子さま」の作家 (小学館版 学習まんが人物館)サン=テグジュペリ―大空をかけぬけた「星の王子さま」の作家 (小学館版 学習まんが人物館)
(1997/11)
鈴木 一郎黒沢 哲哉

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内容(「MARC」データベースより)
みずみずしい子どもの感性をもつ王子さま。その対話を描いた「星の王子さま」の作者サン・テグジュペリ。飛行士として活躍し、航空事業の開拓者のひとりでもある彼の一生をマンガでたどる。



小学館の学習漫画シリーズが子供たちの日本語補習校にたくさんあるので、私もぼちぼち読んでいこうと思います。
これまで伝記モノって、ほとんど読まずにきてしまったので。

今回読んだこの作品は、サン・テグジュペリがシリーズに入っていることが意外な気がして手にしたもの。
もちろん、この作家さんの『星の王子様』は日本語と英語で何度も読んだ大好きな作品です。
しかし考えてみれば、他の作品はタイトルぐらいは聞いたことがあっても、読んだことはなかったのですよ。
たとえば『夜間飛行』や『人間の土地』などは、フランスではベストセラーだったそうです。

そして人物としては、郵便物を運ぶ定期便のパイロットだったこと、最後は大戦中に偵察飛行に出たまま行方不明になったことぐらいしか知りませんでした。
失礼なことではありますが、てっきりパイロットが本職なのかと思っていました。
(実際は、売れっ子作家になってからも空を飛ぶことをやめられず、普通だったら退役してもおかしくない40代になってからも志願して偵察機に乗っていたそう)
第二次世界大戦前には、アメリカに亡命してたなんて驚きです。

この本で彼の半生を知ってからウィキペディアで検索してみましたら、さらに驚きました。
彼が最期に乗っていた偵察機は2000年に海底で発見され、2008年には撃墜したパイロットの証言も公開されたそうです。
私が子供の頃に読んだ『星の王子様』の著者紹介では“行方不明”と書かれていたので、「どこかに不時着して別のペンネームで作品を書いているんじゃないか」とか、「砂漠のオアシスで現地の人たちに溶け込んで生きているんじゃないか」とか、ありえない想像をしたこともありました。
でも……60年以上もの間、海の底にいたんですでね。

思いがけなく、考えたり調べたりするきっかけをもらいました。
彼の長編小説も読んでみようと思います。
新しめの翻訳があるといいな。





★★★★☆ 







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『沖で待つ』絲山 秋子

沖で待つ沖で待つ
(2006/02/23)
絲山 秋子

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内容(「MARC」データベースより)
仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そんな同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は彼の部屋にしのびこむ-。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く表題作のほか、「勤労感謝の日」を収録。



2本の短編を収録。
表題作『沖で待つ』は、住宅設備機器の大手メーカーに営業として就職した“私”と、同期入社で同じ地方営業所に配属された太っちゃんとの友情。
職場での不安も苦労も喜びも分かち合った男女が、恋愛パートナーとしてではなく、あくまでも親友として恋人や夫婦にもない深い絆を大切にし続けるのがいい。

『勤労感謝の日』では、三十代半ばで無職、職安に通う日々を失業保険でなんとか食いつないでいる女性が、近所の知り合いにすすめられて気乗りよりも後ろめたさから見合いをする。
けれど現われたのは、一流企業に勤めるものの容姿も性格もハズレの男だった。



著者はかつて住宅設備機器の大手メーカーで営業として三十代半ばまで勤め、鬱病になって退職してから小説を書くようになったのだそう。
だからどちらの作品も、著者の姿を少なからず映しているのでは、と思える心理描写のうまさでした。
特に『勤労感謝の日』では、見合いの席を抜け出して飲み歩くという“やさぐれ”ぶりが、すごくリアルで等身大。
現実的にこのぐらいの年齢までバリバリ働いてる女性は、一人で赤提灯でグデグデになるまで呑んだくれるなんてこと、平気でやるでしょ?
第一、自分の好き嫌いだけで生きていけないことはしっかり学んでしまってるだろうし。
なんだかせつないよなぁ。

『沖で待つ』は、読後感がとても爽やか。
親友は亡くなってしまって悲しいはずなのに。
脇役的な上司や現場の人たちもいい人ばかり。
男女の友情……それ自体は当たり前に存在する物だと思う。
むしろ、私個人としては、一生モノの女友達もいない男には人間的な魅力を感じないし惚れないだろう。

とても薄い本だけれど、心に残る一冊でした。
女であることに甘えず頑張って生きてる人におすすめしたい。

第134回芥川賞受賞作。




★★★★☆






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『The Lost City of Machu Picchu』Rob Waring

The Lost City of Machu Picchu (Footprint Reading Library 800)The Lost City of Machu Picchu (Footprint Reading Library 800)
(2007/10)
Rob Waring

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Rob Waring
[Footprint Reading Library: Level 1]

【あらすじ】“インカの失われた都市”と呼ばれるマチュ・ピチュは、ペルーの山岳地帯、標高8,000フィートの高地にある。考古学上、貴重な遺跡であると同時に、地域の重要な観光資源になっている。


◇グレーデッド/読みやすさレベル1.7ぐらい/ノンフィクション


ピラミッドやナスカの地上絵と並んで世界の謎とされるマチュ・ピチュには、子供の頃に様々な想像をめぐらせながら、写真やイラストに胸ときめかせたものです。
本書では、そういったミステリーよりも、学問と経済の間でどう扱うかという問題点にスポットが当てられていて新鮮でした。
今までのように日々たくさんの観光客が訪れると、そのぶん遺跡は痛んでいくし、かといって、マチュ・ピチュ観光だけで生活が成り立っている町もある。
なるほど。
子供の頃から「一度行ってみたいなー」と漠然と思っていたけれど、まだまだ解明されてないこともたくさんあるわけで、どんなに世界遺産として保護されても、観光客が出入りしているかぎり、痛む一方なのですよね。

ところで、ウィキペディアで調べましたら、マチュ・ピチュについて最近になってわかったこともたくさんあるんですね。
「ほ〜」の連続でした。





★★★★☆






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『Volcano Trek』Rob Waring

Volcano Trek (Footprint Reading Library)Volcano Trek (Footprint Reading Library)
(2007/09/15)
Rob Waring

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Rob Waring
[Footprint Reading Library: Level 1]

【あらすじ】エチオピアで活動中のEtra Ale火山で調査する2人の地質学者・FessierとMargaritisの話。世界一古いと言われるこの溶岩を調べれば、地球がどのように形成されたか解明できるとして、地質学者の間では、特別な火山なのだそうだ。


◇グレーデッド/読みやすさレベル1.7ぐらい/ノンフィクション


表紙の写真にあるように、消防士のような服装で摂氏1000℃以上の溶岩に危険を犯しながらも限界まで近づく地質学者。
研究者ってすごいなぁ。
普賢岳の噴火で、海外の地質学者さんが犠牲になったことを思い出していました。

ところで、エチオピアってどこ? と地図で調べましたら、アラビア半島に細い海を挟んで隣接する東アフリカの国で、この火山のあるあたりは巨大な断層に囲まれた狭い三角地帯で非常に特殊なんですって。
地質学のことはよくわかりませんが、たとえばほら、日本列島がのっかってるプレートはマリアナ海溝でフィリピンプレートの下に潜り込んでいるでしょ。
でもエチオピアのあたりでは、逆にプレートがずり出して(上手い表現の言葉が見つかりません……)きているために火山も地震も多いんですって。
マリアナ海溝はご近所なので、プレートが潜り込むイラストとかアニメばかり見せられて育ちました(?)けど、潜り込む場所があれば、出てくる場所もかならずどこかにあるわけで。
それがこの火山のあるあたりだということを、この本で初めて知りました。






★★★★☆






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『Life on the Orinoco』Rob Waring

Life on the Orinoco (Footprint Reading Library)Life on the Orinoco (Footprint Reading Library)
(2007/10/19)
Rob Waring

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Rob Waring
[Footprint Reading Library: Level 1]

【あらすじ】ブラジルとの国境から始まり、ベネズエラを流れる全長2,000km以上の大河・Orinocoの話。流域の熱帯雨林には、オリノコ・アリゲーターやカピバラといった特有の動物が生息し、世界一高い滝・Angel Fallを有する。


◇グレーデッド/読みやすさレベル1.7ぐらい/ノンフィクション


南米のあのあたりだとアマゾン川があるので、オリノコ川というのは聞いたこともなかったのですが、それでも2,000キロもあるのですね。
どのくらい??
日本の本州を南北に往復するぐらいかな?
金や石油のほか、ダイヤモンドの採掘量も多いというのがちょっと意外。
あ、でも大昔はアフリカ大陸と繋がっていたらしいから、わかる気もする。
しかし、こういった埋蔵資源や木材のために年々森林の伐採量は増えていて、このままだと30年以内にはこの熱帯雨林は消滅してしまうそうです。

カピバラの写真が可愛い♪
ちょっと残念だったのは、流域で暮らす動物たちのイラストの中で、カピバラがネズミぐらいの大きさで描かれていること。
そりゃまあ確かに本文中に『げっ歯目でネズミの仲間』とありますけど、カピバラさんは大きいのですよ本当は。
そんなの、ネットで調べればいくらでも出てくるだろうに。





★★★★☆




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『John Doe』Antoinette Moses

John Doe Level 1 (Cambridge English Readers)John Doe Level 1 (Cambridge English Readers)
(1999/05/28)
Antoinette Moses

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Antoinette Moses
[Cambridge English Readers: Level 1]

【あらすじ】Exeterの路上をさまよっているところを保護された男には記憶がなく、自分の名前もわからない状態だった。収容された病院の担当医師・Coxは、彼にJohn Doeと名付ける。ほどなくしてJohnが退院する頃、Yorkでは女性が殺された事件をBrow捜査官が追っていた。


◇グレーデッド/読みやすさレベル1.6/4,500語/サスペンス


なんとなくまどろっこしい展開です。
特にJohnの独白のような部分はいらないかも?
それとも、Cox医師が鈍いからかな。
サスペンスとしてのハラハラドキドキは、最後の方だけでした。





★★★☆☆







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『Three Tomorrows』Frank Brennan

Three Tomorrows Level 1 Beginner/Elementary (Cambridge English Readers)Three Tomorrows Level 1 Beginner/Elementary (Cambridge English Readers)
(2007/01/15)
Frank Brennan

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Frank Brennan
[Cambridge English Readers: Level 1]

【あらすじ】風刺の利いたいたオチのある3つの短編を収録。

『Spam』5年後のイギリス。
毎日大量に送られてくるスパムメールに頭を抱えるJoe。ウィルスなどのトラブルには、PCを扱い慣れている14歳の娘・Luiseが対処してくれていた。しかし、友達としばらくキャンプに行っていたLuiseが帰宅してみると、両親がネットショップで必要のない物を買いまくっていた。

『A Flower for Lumus』2106年のパリ。
動物も植物も絶滅した世界で、“ヘルパー”と呼ばれる機械たちに細々と雑用をこさせ、LumusとFleurの夫婦は不自由なく暮らしていた。しかし妻のFleurは、人間そっくりだけれど人間ではないヘルパーが、人間と同じように飲食もすることが好きではなかった。ある日、コンピューターが望みどおりの自然を作り出す“サンルーム”で過ごした後、夫のLumusが倒れてしまう。

『Zima's Last Dream』1500年後のどこか。
“The Machines”が支配する世界で、Zimaはひとり静かに昔を思い出していた。夫のNiko、愛しい子供たち……Zimaはガラス容器に生きたまま保存された、たくさんの脳の最後の生き残りだった。


◇グレーデッド/読みやすさレベル1.5/4,700語/SF


本そのものが20ページほどしかないのに、その中の短編集ということでまったく期待せずに読み始めたんですが、空恐ろしい読後感の作品ばかりでとてもよかったです。
『Spam』を除く2作はSFの王道というか、どこかで同じようなアイディアの作品を読んだ(観た)ような気もしますけど、まさかこんな短い、しかもボキャブラリー数の少ないグレーデッドで楽しめるとは思いませんでした。
かなりおすすめ。






★★★★★









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プロフィール

ゆう

Author:ゆう
「趣味は読書」と言えるほどの数は読んでいませんが、文学作品から官能小説やBLまで、何かを読んでいればシアワセです。
小中学生時代は読書に否定的な両親に隠れてヴェルヌ、シートン、ブラッドベリ、江戸川乱歩、筒井康隆、小松左京、横溝正史、萩尾望都、竹宮恵子らを栄養に育ち、高校生〜30代前半は村上龍、山田詠美、片岡義男、島田荘司、綾辻行人に入れ込み、最近はスタインベック、伊坂幸太郎、有川浩、道尾秀介、三津田信三、桜庭一樹らが気になって仕方ない人生の半ば過ぎ。日頃の出費に対する言い訳は、「本は別腹」。
テキスト専門で自給自足もする同人好き(絵描きさんを崇拝)。
2001年よりカリフォルニア州在住。コミュニティカレッジで勉強中の英語が苦手な学生主婦。日常の子育て、大学、オタクな話題はこちら
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