予知夢
2008 / 04 / 15 ( Tue )
予知夢 (文春文庫)予知夢 (文春文庫)
(2003/08)
東野 圭吾

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本書は「探偵ガリレオ」シリーズ2作目。帝都大学理工学部物理学科助教授、探偵ガリレオこと湯川学が、摩訶不思議な事件を論理的に解決していく、本格推理短編集である。
素封家の屋敷に侵入者があった。犯人は27歳の青年。2階で眠っていた娘を襲おうとしたらしい。逮捕された犯人は、17年前、その少女と結婚する夢を見たという。夢に現れた少女が現実に存在するとは? 予知夢はあるのか?
ロマンチックにも感じられる第1章「夢想る(ゆめみる)」をはじめ、「霊視る(みえる)」「騒霊ぐ(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」の、全5作が収録されている。軽快な文章の中に凝縮された、オカルチックな題材と巧妙なトリック、明晰な推理と確固たる論理。本書はたぐい稀なるストーリーテラーである著者の技を堪能できる作品といえよう。(アマゾンより)



『探偵ガリレオ』シリーズの2作目。

今回も短編集。
一見心霊現象や超常現象のような事件に、じつはきちんと物理的トリックがある、というもの。
科学トリックだけだった前作に較べると新鮮味に欠けるし、まぁ、ありがちな話で、しかも短編なので、どれも物足りない感じです。


★★★☆☆

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探偵ガリレオ
2008 / 04 / 14 ( Mon )
探偵ガリレオ (文春文庫)探偵ガリレオ (文春文庫)
(2002/02/10)
東野 圭吾

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突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。 (「BOOK」データベースより)



偶然あり必然あり、事件のトリックや鍵がどれも科学現象というミステリで、私にとっては新鮮でした。
一話一話がとても短いのだけれど、どれも上手くまとめられているなぁと思いました。

様々なカラーで、膨大な量のベストセラーを生み出している作家さんですが、読むのはじつはこれが2冊目。
初めて読んだ作品がつまらなかったので、10年以上もずっと遠ざけていました。
でもこの作品で、また読もうかなーという気持ちにさせられました。

ちなみにドラマは観たことがないので、比較できません。


★★★★☆

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ガダラの豚(全3巻)
2008 / 04 / 10 ( Thu )
ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
(1996/05)
中島 らも

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アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作。(「BOOK」データベースより)



日本推理作家協会賞受賞ということでミステリに分類しましたが、ホラーのようなアドベンチャーのようなお話。
第1巻では例のTBS事件や某カルト教団事件を皮肉ったものであることが明白で、「おいおい、大丈夫だったんかいな」と、出版当時(1990年半ば)のことを思うと、少々心配になりますね(笑)

第2巻はアフリカ・アドベンチャーツアーのTV番組を見ているみたいです。
そして第3巻は、もうドタバタ血みどろの殺戮激。
それでも随所に筆者のユーモアが満載で、映画を見ているようにノンストップでページを捲ってしまいます。
さらに、ラストのラストでは、涙ホロリ。
うっわ、なんなんだ、この作品!? と、第1巻がややスローテンポだっただけに、第3巻では心拍数上がり気味でした。

経済大国な島国ニッポンや、マスコミに対する風刺もいっぱい。
できることなら出版されてすぐ、リアルタイムで読みたかった作品です。


トータルで
★★★★★


ガダラの豚〈2〉 (集英社文庫) ガダラの豚〈3〉 (集英社文庫)

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グラスホッパー
2008 / 04 / 03 ( Thu )
グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
(2007/06)
伊坂 幸太郎

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「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!(表4より)



ここでは『ミステリ/ホラー』のカテゴリに入れていましましたが、解説によると『ハードボイルド』のようです。
トリックや謎解きは一切出てきませんが、どんでん返しが連続するハイテンポなストーリーです。
ハードボイルドと言われても、「え?そうなの?」と思ってしまうのは、主人公(?)の鈴木が、あまりに普通の人だから。
当たり前のように殺し屋を職業にする人々が闊歩する東京では、むしろ鈴木のような人が特殊に思えるくらい。

あっというまに読み終わってから、世間の人々がみな仮面をかぶって生活してるんじゃないか、って、少しゾッとしたりもしました。


★★★★☆

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償い
2008 / 03 / 16 ( Sun )
償い (幻冬舎文庫)償い (幻冬舎文庫)
(2003/06)
矢口 敦子

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36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?感動の長篇ミステリ。 (「BOOK」データベースより)



これは非常に好き嫌いの分かれる作品だと思います。
まず、登場人物がみんな可哀想。
痛々しくて、目を背けたくなる。
主人公はホームレス探偵という、ぱっと聞いただけでは奇抜でそそられる設定ですが、彼が抱える苦悩が大きすぎて、もうそれだけで暗い小説になりそうです。

社会派ミステリという意味で、ちょっと宮部みゆきに似てるかも?と思ったんですが、もっと深い、というか、あー、やっぱり暗くて救いがないのかなぁ。
でも、正直言って私は好きです、この作品。
話の軸にもなっている「心を傷つけても裁かれないのか」とは、もうずいぶん前から私も考えていたことだったので。

解説でも書かれていますが、きっと何度も読み返すほどに、感動が深くなるんじゃないでしょうか。


★★★★★



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死神の精度
2008 / 03 / 13 ( Thu )
死神の精度 (文春文庫 (い70-1))死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
(2008/02/08)
伊坂 幸太郎

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1:CDショップに入りびたり2:苗字が町や市の名前であり3:受け答えが微妙にずれていて4:素手で他人に触ろうとしない――そんな人物が身近に現われたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
(表4より)



6つの短編から成り、それぞれが切ない恋愛小説、ロードムービー(映画じゃないけど)、任侠もの、密室ミステリ、と、違う味付けになってます。
そして、全然違う舞台のストーリーが、何気に繋がっていたりして、巧妙な伏線も楽しめました。
主人公の死神、映画では金城武が演じるそうですが、似合ってると思います。

ところで、私にとっては初・伊坂幸太郎でしたが、この作家さんの文章はかなり好みですね。
冷静でいてユーモアもあって、強弱のリズムみたいなのがすごくうまい。
描写や比喩もくどすぎず浅すぎず……なんというか、小気味のいい文章を書かれる方だなぁ、という印象でした。
ともするとコミックに出てきそうな主人公のキャラクターですが、軽すぎないのがいい。
長編推理小説の方も、ぜひ読んでみたいです。


★★★★★

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最後の記憶
2008 / 03 / 11 ( Tue )
最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)
(2006/02)
綾辻 行人

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若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き―両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説。 (「BOOK」データベースより)



『館シリーズ』のような、どんでん返しの本格ミステリではありません。
なんとなく『囁きシリーズ』に近い雰囲気があるけど、これはジャンル分けが難しい作品ですね。
ホラーとミステリとファンタジーとSFと……いろいろ混じっている感じ。
『眼球奇譚』を彷彿させるし、読みながら『殺人鬼』を思い出してしまったり。

『館シリーズ』が好きな方にはイマイチかもしれませんが、霧のかかったようなノスタルジックな空気が私は好きです。
でも欲をいうなら、“現実”で片付けてほしかったですね。


★★★☆☆

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背の眼
2008 / 03 / 04 ( Tue )
背の眼 上 (1) (幻冬舎文庫 み 11-1)背の眼 上 (1) (幻冬舎文庫 み 11-1)
(2007/10)
道尾 秀介

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オカルトなの? ミステリなの??

と思いましたら、ホラーミステリというジャンルらしいです。


霊だとか心霊写真だとか呪いだとか、さらには天狗やら土着の伝説やらも出てきて「ホラーじゃん?」とブルブルしながら読み進めれば、下巻ではしっかりミステリです。
でも、それでもちゃんと現実的な理屈で解き明かされず、霊の仕業で終わってる部分もあって、ミステリとして読むとスッキリしないんですが、ホラーだと思えば許せるし、登場人物たちの背後にあるそれぞれの悲しい過去などは、なかなか深い設定だと思いました。
(子供が被害者の、しかも連続殺人事件は読んでいてつらいですが)


上巻の前半で、「レエ、オグロアラダ、ロゴ…」という不気味な声の意味がわかった時点で鳥肌が立ち、引き込まれます。
デビュー作ながら、上下巻一気読みさせられました。
ちょっと京極風味&横溝風味で、なかなか好み。

作家の道尾くんが主人公だったり、相棒の真備先生のキャラや風貌などは、島田荘司の御手洗+石岡や、有栖川有栖の火村+アリスを連想させます。



★★★★☆



背の眼 下 (3) (幻冬舎文庫 み 11-2)背の眼 下 (3) (幻冬舎文庫 み 11-2)
(2007/10)
道尾 秀介

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東京伝説―うごめく街の怖い話
2008 / 03 / 01 ( Sat )
東京伝説―うごめく街の怖い話 (竹書房文庫)東京伝説―うごめく街の怖い話 (竹書房文庫)
(2003/04)
平山 夢明

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著者は『超怖い話』で知られるライターさん。
この短編集も取材を元に書かれたそうで、真偽のほどはわからないのですが……なかなか楽しめます。
というか、そこそこ怖いです。

心霊系ではなく、幽霊等は一切でてこないのですけど、そこがまた現実味があって怖い。
また、舞台が生身の魑魅魍魎が集まる東京ってとこがリアル。
こういう話も書いてみたいなーって思いました。
都市伝説のように多くの人が知っている話じゃなくても、自分が見聞きした『怪談』もあるんで。


暇つぶしに最適な一冊。
(全然暇じゃなかったんだけど!!)



★★★★☆

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02 : 25 : 43 | 和書(ミステリ/ホラー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
失はれる物語
2008 / 02 / 28 ( Thu )
失はれる物語 (角川文庫)失はれる物語 (角川文庫)
(2006/06)
乙一

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“白乙”と呼ばれる、せつない系ホラーの短編集。
現実にはあり得ない話なんだけど、どのお話でもホロリとさせられます。
『Calling you ...』、『しあわせは子猫のかたち』、『傷』でボロ泣きしました。

……あ、『Calling you ...』も『傷』も映画化されたんですね!
『KIDS-傷』はぜひ見たいですねぇ、なんたって徹平くんですから♪


そうそう、どのお話も、オタク系というか引きこもり系というか、不器用で繊細な若者が主人公なのですよね。
この短編集、10代の人たちの共感を呼んで人気なのでしょうけど、私としては、そんな若者たちの親の年代の今になって読んで良かったと思いました。
きっと、バリバリに仕事してた20代前半の自分では、こんなに優しく寛大な気持ちで感動することができなかったと思うから。



★★★★★

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02 : 18 : 45 | 和書(ミステリ/ホラー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
チーム・バチスタの栄光
2008 / 02 / 18 ( Mon )
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599)
(2007/11/10)
海堂 尊

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『このミス』で話題だったし、たまには流行に乗ってみようと、私にしては珍しく新品で買った作品(アメリカでは定価の2倍近くするんです…)。

大学病院が舞台ということで、『白い巨塔』や『海と毒薬』の雰囲気を想像していたのですが、見事に裏切られました。
劇画タッチともいえる文章で読みやすく、ところどころ声に出して笑ってしまうほど。
また、キャラクターたちも魅力的です。

これぞエンターテインメント!
理屈抜きで純粋に楽しめる作品ではないでしょうか。
また、ミステリとしても、トリックも殺人動機も頷けるもので、これが現役お医者さんが書いたデビュー作だなんて。
続く作品がとても楽しみです。

あ、映画では田口先生が女性になってるそうですけど、これはぜひ原作のまま男性でやって欲しかったですねー。
(私が腐り気味だからじゃなくてw)
そうじゃないと、ラストシーン(原作の)が生きてこないような気が……。


★★★★★

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02 : 10 : 02 | 和書(ミステリ/ホラー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
誰か Somebody
2008 / 01 / 07 ( Mon )
誰か (文春文庫 み 17-6)誰か (文春文庫 み 17-6)
(2007/12/06)
宮部 みゆき

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今多コンツェルンの社長づき運転手が、自転車による轢き逃げ事故で死亡する。
同社広報室に勤める編集者・杉村は、社長の娘婿という立場もあって、死亡した運転手の半生を纏めた本の編集を一任されるのだが、彼の過去を取材するうちに……
という、誰もがいつ遭うかもしれない日常的とも言える事故によって、何人もの人たちの人生に波紋が広がっていく話。

事故が起きたのは東京の下町で、たくさんの運河(水路)と気さくな住民たち、けれど新たに林立したマンション群で暮らす顔も知らない隣人たち。
私も東京の下町で生まれ育ったので、その描写にはホームシックになりそうでした。
『模倣犯』といい『火車』といい、宮部さんはこういう市井の人々や日常に隣り合った、誰もが陥る(巻き込まれる)可能性のある犯罪を描くのが本当に上手いと思う。
そしてまた、人の心の温かさも残酷さも。

派手さはないけれど、じっくり楽しめた作品でした。

★★★★☆

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16 : 31 : 32 | 和書(ミステリ/ホラー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
クライマーズ・ハイ
2008 / 01 / 05 ( Sat )
クライマーズ・ハイ (文春文庫)クライマーズ・ハイ (文春文庫)
(2006/06)
横山 秀夫

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すごい力のある小説です。
途中、何度も泣きました。
私の血を沸き立たせ、鳥肌を立たせる要素がたくさん詰まっています。

ミステリにジャンル分けされてますが、殺人事件が起きて謎解きをする、といった類いの話ではありません。
1985年に群馬県・御巣鷹山に墜落した日航123便を追う地元紙の新聞記者たちの闘いを描いた話。
主人公は40歳、デスクを任されたベテラン新聞記者。
しかしヒーロー的な“仕事人”ではなく、迷いや憤りや暗い過去を抱えた実に生臭い人間味溢れる人。
しかも上司と部下の板挟みで、さらには反抗期を迎えた息子との不和など、いろんなものを抱えた痛々しい人です。

新聞社内では派閥や出世を狙っての抗争、主人公の周りでは親子・夫婦のあり方などが重く淀んでいて、その一方、谷川岳・一ノ倉沢の岸壁を登る17年後の主人公……

ああ、ついさっき読み終わったばかりで、まだ冷静なレビューが書けそうにありません。
追記では、個人的な思い入れなどを箇条書きにしました。

★★★★★
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月の裏側
2008 / 01 / 02 ( Wed )
月の裏側月の裏側
(2000/03)
恩田 陸

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初めて読んだ恩田陸。
ホラーやミステリ、青春ものなどさまざまなジャンルを書いてる作家さんのようですね。
色とりどりの比喩が満載で、「とても綺麗な日本語を書かれる方だなぁ」という印象でした。

この作品は、地味にじわじわと恐怖に取り囲まれるようなホラー作品で、派手さはないけれど私好みです。
九州の柳川市をモデルにしたと思われる、至る所に堀が廻らされた架空の町を舞台に起こる連続失踪(誘拐?)事件の真相を追ううちに……という、じっとりとしたお話。
考えてみれば、こういう『日常の裏側』とか、『気づかぬ所で起きている何か重大で恐ろしいこと』といったお話が大好きで、小学校高学年〜中学生の頃には筒井康隆や星新一などを貪り読んでいたことを思い出しまた。

ただ残念なのはこの作品、なんだか中途半端に終わってるような印象なんです。
最終章は、何が言いたいのかよくわからず、「え?恋愛小説?」と、それまできりきりと絞り上げられるようだった恐怖感が一気に醒めるというか……。
いくつかの伏線もそのまま流れてしまっていて、非常に残念。
キャラクターたちもみな魅力的なのになぁ。

★★☆☆☆

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01 : 09 : 25 | 和書(ミステリ/ホラー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
暗黒館の殺人 (全4巻)
2007 / 12 / 20 ( Thu )
暗黒館の殺人 1 (1) (講談社文庫 あ 52-15)暗黒館の殺人 1 (1) (講談社文庫 あ 52-15)
(2007/10)
綾辻 行人

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もう12、3年前に出勤途中のキオスクで買った『殺人方程式』で心捕われ、それからというもの館シリーズ、囁きシリーズと綾辻作品は読みあさってきました。
正直なところ彼に出会っていなかったら、今ほど『本格推理』と呼ばれるジャンルは読んでなかったはず、というほど私の本棚を変えた作家さんです。
この久しぶりの館シリーズ。
新作文庫が出たので、待ちきれずに日本から航空便でお取り寄せしました。


さて、今回の2000ページに及ぶ長編ですが、さすがに最初から雰囲気づくりが上手いです。
そして、この雰囲気に呑まれて騙されちゃうのが館シリーズ(笑)

第1巻はいわば序章のようなもので、登場人物やその背景、館の様子などがほとんどで、最後の方にやっと何かが起こります。

★★★☆☆(星3つは辛口かな?)



暗黒館の殺人 2 (2) (講談社文庫 あ 52-16)暗黒館の殺人 2 (2) (講談社文庫 あ 52-16)
(2007/10)
綾辻 行人

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立て続けに人が殺され、事件と屋敷にまつわる謎が列挙されます。
いよいよ始まりのゴング!


……ええと、不謹慎ではありますが、別の視点からも楽しめますよ 。
玄児さんと中也くんが素敵です!

★★★★☆



暗黒館の殺人 3 (3) (講談社文庫 あ 52-17)暗黒館の殺人 3 (3) (講談社文庫 あ 52-17)
(2007/11)
綾辻 行人

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こ、これは……!
まさか、ホラー? オカルト?
推理小説の種明かしが超常現象、なんて興醒めなことは綾辻さん、やりませんよね!?

全4巻の中ではもっともページ数が多く、この作品の中で一番重要な、じっくり読み込んで欲しい巻かもしれないです。
いや、ページはどんどん捲られてしまうんですが。

それにしても、数週間前に島田荘司の『アトポス』で読んだエリザベート・バートリの名前をここでも目にするとは思いませんでした。

★★★★★



暗黒館の殺人 4 (4) (講談社文庫 あ 52-18)暗黒館の殺人 4 (4) (講談社文庫 あ 52-18)
(2007/11)
綾辻 行人

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おおおお!!
そうきたか!

「結構先が読めるかも〜犯人わかったかも〜」と少々天狗になっておりましたが、見事にやられました。
やはり綾辻さんには勝てません。
ボコ殴りにされた気分。
そんでもってちょっぴり悲しい。


みなさんもレビューでおっしゃってることですが、これまでの館シリーズの集大成とも言える作品で、読後は『十角館』から読み直したくなります。


『ダリアの祝福を!!』


★★★★★


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水晶のピラミッド
2007 / 11 / 25 ( Sun )
水晶のピラミッド (講談社文庫)水晶のピラミッド (講談社文庫)
(1994/12)
島田 荘司

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御手洗潔シリーズ。
ハリウッド女優の松崎レオナが登場する、『暗闇坂の人喰いの木』に続く2作目です。

700ページ以上ありますが、謎解きが始まるのは半分あたりにきてから。
大昔のエジプト・ファラオ時代の悲恋物語(?)と、タイタニック号の悲劇が交互に進み、果たしてこれは推理小説なんだろうか、話はどこに向かっているんだろうか、と思いつつも、目が離せない展開でドドドドッと読めます。
全く関係なさそうな話が繋がっていき、最後の最後まで油断できません!

今回は石岡くんも登場するし、鬱になってる御手洗さんもちょっと可愛い。
『アトポス』のレオナはちょっと鬱陶しかったけど、本作品では憎めない感じです。

……レオナ、ちょっと羨ましい……けど、え?御手洗さんと石岡くんは?
と、謎を残しつつ終了(笑)

★★★★☆

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アトポス
2007 / 11 / 23 ( Fri )
アトポス (講談社文庫)アトポス (講談社文庫)
(1996/10)
島田 荘司

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もうだいぶ前に『暗闇坂の人喰いの木』を読み、『水晶のピラミッド』を飛ばしてこちらを先に読んでしまいましたが、この3作は微妙に続いているようなので、順番どおりに読んだ方がいいみたいです。


分厚いです。
一冊の文庫本にして1000ページ近くあり、お布団の中で読むにはちょっと辛いです。
さらに、前置きの『昔話』が非常に長くて夢に見そうなほど恐ろしいです。

本題は松崎レオナ再登場で、舞台はハリウッドから死海の畔へ。
毎度のことながらグロいシーンがいっぱい、しかも今回は赤ん坊が被害者なので正視するには辛いのですが、トリックは大掛かりだし密室モノもあるし、『昔話』も『サロメ』も最後まで読めば繋がっていきます。
しかもこの作品のタイトルがキーワード!!

御手洗さんは本当に最後の方にしか出てきませんが、登場の仕方もカッコイイですよ〜


余談ですが、私もLA近郊に住んでいるので、ハリウッドやLAのシーンがとても楽しめました♪
それと同時に、島田先生からの『アメリカで頑張る日本人への応援歌』のように感じる箇所がいくつもありました(^^)
(反省を促す箇所も多々ですが)

★★★★★

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ネジ式ザゼツキー
2007 / 11 / 21 ( Wed )
ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)
(2006/10/14)
島田 荘司

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島田荘司の作品は、一冊読むと次から次へと読みたくなってしまうので、夏休みにしか読まないことにしてるんですが、これはもう長いことタイトルが気になっておりまして、ついに手を出してしまいました。
だって、ネジ式ですよ?ネジ式!!
つげとは無関係とわかっていても、気になるじゃないですか(笑)


スタイルは、島田先生お得意の“作品の中に作品がある”入れ子式。
長いですが、ぐいぐい引っ張られてあっというまに読了、という感覚です。
読む前には、
「作中にファンタジー作品が挿入されてるって? んー、ファンタジーは苦手なのよね」
と引き気味でしたが……ただのファンタジーじゃないです!
だって島田荘司だもん(笑)

それにしても御手洗サン、いつから脳科学者になっちゃったの!?
まるで別人みたいに丸くなったし。
石岡くんが出てこなくてちょっと寂しいです。


生臭い匂いまで漂ってきそうなほどグロいシーンもありますが、最後はやはり島田節ですね♪


★★★★☆

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失踪HOLIDAY
2007 / 11 / 20 ( Tue )
失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)
(2000/12)
乙一

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最近話題の乙一。
特に若者に人気の乙一。
ミステリ作家なのかホラー作家なのか謎な乙一。
「こんなにあちこちで名前を目にするなら、一本ぐらいは読んでおこうか」と手にしたのは、娘用に買っておいた『角川スニーカー文庫』のこの本。
「わざとラノベのノリで書かれているんだろう」とトイレの中でぞんざいに表紙を捲りましたが……見事に裏切られました。


表題『失踪HOLIDAY』のほか、『しあわせは子猫のかたち』の2本を収録するこの本、いずれも確かに主人公はティーンエイジャー。
いろんな小物や背景も、私のようなオバサンにはすでにあまり縁のないものばかりですが、彼ら子供の口調や行動の根底にある物は、いくつになっても価値の変わらない、失いたくない人としての優しさや家族愛でした。

しかもしっかりミステリです。
幽霊が出てきたりもしますが(『しあわせは子猫のかたち』)。


『失踪』では主人公にイラッとしながらも、最後には成長が見られて安心するし、なんといっても私はクニコがすごく好き。
ただのドタバタで終わってしまいそうな話が、意外な方向で綺麗に収まって、思わず「上手いな」と唸ってしまう作家さん。

『子猫』には、短い作品でありながら、不覚にもボロ泣きさせられました。
でも、悲しいのとはちょっと違う読後のせつなさと爽快感が癖になりそうです。

★★★★★

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

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ダリの繭
2007 / 11 / 19 ( Mon )
ダリの繭ダリの繭
(1999/12)
有栖川 有栖

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私が読んだのは、1993年『角川ミステリーコンペティション』版ですが、画像がないのは淋しいので敢えてこちらで。


10年以上前に読んだ本の再読です。
ミステリの再読なのに、かなり楽しめました。
トリックやストーリー展開の派手さはそれほどではありませんが、なんといっても火村先生と作家アリスのコンビが最高!!
火村シリーズを続けて読んじゃおうかな、って誘惑に駆られております(笑)

★★★☆☆

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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