Bitter Chocolate
2008 / 04 / 17 ( Thu )
今、大学で『Child Labor(児童労働)』というテーマで書いている論文の資料を探していたら、偶然見つけた新聞記事があまりにショッキングだったため、テーマを『Child Slavery in Chocolate Industry(チョコレート産業における児童奴隷)』に変更しました。 そして、辿り着いたのがこの本。 カナダの女性ジャーナリストが長期にわたる現地取材を含めてまとめており、内容は驚くべきもの。 欧米で作られているチョコレートの原材料として、西アフリカ・コートジボワール産のカカオが使われているのですが、そこのカカオ農園では、近隣国(特にリマ)から売られたり、誘拐されて連れてこられた8〜15歳ぐらいの子供たちが、賃金はおろか、充分な食事や睡眠も与えられず、日常的に殴られるなど虐待を加えられて強制労働させられているのです。 コートジボワールの警察はもちろんこのことに気づいているけれど、カカオはこの国の重要な産業で、その利益の2/3は税収となるので、この便利で低コストな奴隷をやめさせられるわけがない。 搾取された金は一体どこに流れるのか? 児童奴隷を陰で牛耳っている人物は本当は誰なのか? それを突き止めた白人記者たちは、行方不明や銃撃の的に…… 今日もまだ続くカカオ農園の児童奴隷。 彼らはチョコレートを食べたことはもちろん、自分たちが何を作っているのかさえ知らないのです。 (ちなみに日本製のチョコレートのほとんどは、ガーナ産のカカオを使用しているそうです) ★★★★★ ↓日本語版も出ています。
|
Brown V. Board of Education: A Brief History With Documents
2008 / 02 / 27 ( Wed )
ライティングクラスで小論文の元ネタに使った本。 その昔、アメリカで学校や公共施設や乗り物までが、白人専用と有色人種専用に分けられていた差別をなくそうと、1950年代に繰り返し行なわれた裁判の判例をまとめたフィクション。 当時の新聞などに掲載された風刺絵から読者投稿、編集後記なども収録され、臨場感があります。 内容は興味深く、ひとつひとつが短いので読みやすいですが、原告、被告それぞれのシチュエーションなどが結構複雑だったり、裁判用語などが多くて苦戦しました。 あと、字が細かすぎて行間が詰まり過ぎ!! 新聞並みで読み続けるのが辛かった!! ★★★☆☆ |
Maus
2007 / 05 / 01 ( Tue )
父親のアウシュビッツでの体験を描いた、ユダヤ系アメリカ人漫画家によるグラフィック・ノベル。 コミックという形態を取っていますが、ジャンル的にはホロコースト文学に分けられ、ピューリッツァー賞も受賞しています。 この作品の特徴的な点としては、なまなましい父親の実体験談はもちろん、過去と現在を行ったり来たりするストーリーの中で、ホロコーストを生き延びた父親と戦争を知らない世代の息子(作者)との、温度差とでもいいましょうか……考え方や価値観の違いも大きいです。 登場人物を全て動物の姿で描いており、逃げ惑うユダヤ人=ネズミ、ナチス=猫、ポーランド人=豚、最終的にはユダヤ人を救う“大将”アメリカ軍=犬、と揶揄的に描き分けている点にも注目。 ★★★★★ |
Nickel and Dimed
2007 / 04 / 10 ( Tue )
アメリカって、じつは貧富の差がとても大きい国だって知ってましたか? この本は、いろんな新聞や雑誌のコラムニストとして著名な女性ライターが、「学歴も資格もないバツイチ」と偽って自ら低賃金の仕事を体験するルポルタージュ。 アメリカのワーキングプアの実態がここにあります。 彼らは決してレイジーなわけではなく、ほとんどの場合、毎日2つ3つの仕事を掛け持ちしていても、最低賃金や保険制度のために病気になっても医者にもかかれず、アパートも借りられず、その日その日に雨風を凌いで食べ物を得るのが精一杯。 当然、そんな彼らの子供たちも充分な教育が受けられず、終わりのないワーキングプアというルーティーンの中で生きていくしかないのです。 実際に、腰が折れるような重労働を法律が定めた最低賃金で経験した著者。 明日の食べ物さえも不安だった日々。 しかし現実の著者は生物学の博士号をもち、新聞や雑誌で活躍する売れっ子ライター(低賃金の仕事仲間たちには新聞や雑誌を読む余裕はないからバレなかった)……そんな彼女が短期間の実体験をまとめたこの本に、果たして説得力があるのかないのか。 アメリカンドリームを信じてるあなた。 移民の我々に向かって「アメリカで生活できるなんてうらやましい」と言うあなた。 日本語版も出ているので、一読をおすすめします。 ★★★★★ |
Miracle in the Andes
2006 / 08 / 20 ( Sun )
ノンフィクション。 1972年、ウルグアイのラグビーチームを乗せた飛行機がアンデス山中に墜落し、数名が奇跡的に生還した“あの”実話。 別の原作で映画にもなっています。 今回出版されたこの本は、実際に生還したラグビー選手(数々の困難を乗り越え、道なき道を下山して助けを呼びに行った人)が、30年以上前のことを振り返って書いています。 著者本人も頭蓋骨骨折という重傷を負いながら、運のよさだけでは片付けられない、けれど奇跡としか呼べない生還だったと思います(著者の母と妹はこの事故で死亡)。 臨場感のある描写ですが、ちょっと残念だったのは、前半が搭乗者ひとりひとりの人物紹介で占められているような印象だったこと。 “身内”としての思い入れは、ものすごくよく理解できるんですが。 後半は一気に読めます。 ★★★☆☆ |
Tuesdays with Morrie
2005 / 12 / 19 ( Mon )
【あらすじ】カレッジを卒業してから16年。 売れっ子スポーツライターとして富も名声も手にしたミッチがある晩ふとつけたTVには、かつて自分が尊敬し、再会を約束した教授の死にゆく姿があった。社会学の老教授、モリー先生は、不治の病『筋萎縮性側索硬化症』に冒されていたのだった。 そして16年ぶりにモリー先生と再会したミッチは、毎週火曜日に飛行機で先生の自宅を訪れ、最後の『講義』を受ける。 講義内容は『生きることの意味』。 英語/ノンフィクション -------------- 人生の半ばを過ぎた今、とてもいい本に出会えたと思います。 モリー先生の残された人生のわずかな時間に、彼がこれまでに経験して学んだこと、また死に直面して初めて彼自身も知ったことなどを、かつての教え子ミッチに毎週語っていきます。 本書の冒頭、再会のシーンからして泣けました。 各章ごとに涙していたかもしれません。 でも、人の死を扱った、ただ泣かせるだけの物語ではありません。 ユーモアもたっぷりで、モリー先生の人生に対する楽観さと繊細さがミックスした、とても温かな気持ちになれる本です。 毎週、毎週の火曜日がとても貴重で、モリー先生の言葉のひとつひとつが宝石のように輝いていて、いかに自分が忙しい日常に埋もれて、世間が損得を基準に作った価値観に振り回されて、人生にとって本当に大切なことを見失っているかを突きつけられたような気がしました。 書き留めておきたい美しい台詞、深い教えが随所にちりばめられています。 モリー先生が、日に日に衰えていく苦しい息の下から、やっとの思いで声にする、すべての私たちに伝えたかった言葉を、じっくり読んでみてください。 英語自体はそんなに難しくありません。 日本語翻訳版もあります。 ジャック・レモン主演の映画。 ★★★★★ my total=1,335,173語/102冊目 |
|
| ホーム |
|



![チョコレートの真実 [DIPシリーズ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41dsbr1ZCpL._SL160_.jpg)






