■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『SOSの猿』伊坂 幸太郎  


SOSの猿SOSの猿
(2009/11/26)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空―救いの物語をつくるのは、彼ら。




猿=孫悟空が窮地から救ってくれる、というストーリーなのだけど……
え?
何故に孫悟空??
ゴダイゴがヒットを飛ばした30年前のあの頃ならまだしも、何故に今!?

前作『あるキング』に引き続き、正直よくわからない作品でした。
本作も「書きたいものを書いた」そうですが、ずっと追いかけてきたファンですら、
「一体どうしちゃったんだ!これは新しい何かを試そうとしてるのか?」
と、寛大に見ても思ってしまいます。

もちろん作家さんには、好きなものを書く権利がありますが、でもこれがデビュー作というわけではない職業作家さんなら、読者がどんな気持ちで読むかも少しは考えて書くべきじゃないのかなぁ、って思うんです。
だって読み手は、この本から教養を得ようとかそんなことは思ってなくて、ただ楽しむために読んでいるんですから。

次作に期待。


★★★☆☆




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『あるキング』伊坂幸太郎  


あるキングあるキング
(2009/08/26)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。すべては「王」になるために―。人気作家の新たなるファンタジーワールド。




こういう作品も書いてみたかったのか、はたまた構想段階で仕上げてしまったのか。
もしもこれが初めて読む伊坂作品だったら、「まぁまぁ面白いかな」と思って、次作を見かけたら買おうかどうしようかちょっと迷いもするかもしれない。
でも、『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』に心酔した伊坂幸太郎ファンにとっては、肩すかしのような気がします。
私など、野球には興味も知識もないのでなおさらです。

ただひとつ共感できたのは、子を思う、というか、子供ためならなんでもできてしまう親の愛情……かな。

著者の変化期かしら、とも感じるので、次に期待
まだまだ追っかけるよ~(笑)


★★★☆☆




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『フィッシュストーリー』伊坂 幸太郎  

フィッシュストーリーフィッシュストーリー
(2007/01/30)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が時空を越えて奇蹟を起こす。デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。



伏線とひねりの効いた4本の短編を収録。
どれも正義感と優しさの詰まった伊坂ワールドで、他の作品のキャラクターが随所に登場するところも、ファンには嬉しい短編集です。


【動物園のエンジン】
「その人がいるだけで、まるでエンジンがかかったように動物園が活気づく」と言われた伝説の飼育係と、市長殺人事件の犯人と、逃げ出したシンリンオオカミの行方をネタにした仲間内の噂話。
一方、現実はというと――。

多作品とのリンクは『オーデュボンの祈り』の伊藤と、『ラッシュライフ』の河原崎の父。


【サクリファイス】
ある人物を探して、山形との県境に近い、閉鎖的な山村を訪れた黒澤(『ラッシュライフ』や『重力ピエロ』に登場)。
そこでは現代も、昔から伝わる生け贄の儀式が行なわれていた。

『ラッシュライフ』に出てきた画廊経営者もチラッと。


【フィッシュストーリー】
二十数年前、現在、三十数年前、十年後の出来事が、売れないまま解散したロックバンドのある曲によって繋がっていく。
伏線と、繋がりと、爽快なラストと、じんわり温かい読後感がたまらない作品。

『ラッシュライフ』の老夫婦強盗が、ちょっと可愛い役で出てきます。


【ポテチ】
『ラッシュライフ』に出てきたお人好しの強盗・今村は、その後も実入りの少ない泥棒稼業を続けている。
空き巣に入った家の留守番電話がきっかけで自殺未遂の女・若葉(『オーデュボンの祈り』に出てきた女の子?)を助け、いつしか同棲するようになっていた。
ある日、今村の仕事ぶりを見たいと言う若葉を連れて、ターゲットである野球選手の留守宅に忍び込む今村だったが、何も取らずに出てきてしまう。
が、今村の本当の目的は――。

またしても黒澤が大活躍。
『重力ピエロ』の泉水も仕事してます。





どれもいいお話でした。
表題の『フィッシュストーリー』は、つい先頃映画が公開され、話題ですね。
短編なのに、長い長い時間の中を泳いで行く大きな魚のような、「大切なことはしっかり受け継がれているんだよ」的なテーマがすごく良かったです。
読みながら、「このホラ話(英語のfish storyとは“ホラ話”という意味)はどこへ向かうんだろう」とずっと考えていたのだけど、ラストが近づいてきて、「そうだったのか~」と唸ってしまいました。

映画『フィッシュストーリー』


書き下ろしの『ポテチ』は、登場人物がみんないい人ばかり。
泥棒兼探偵の黒澤は相変わらずカッコいいし、今村は馬鹿がつくほどお人好しで、恋人の若葉は気が強くて勝手なようでいて本当はすごく優しいし、今村のお母さんなんか、それはそれはいい味出してます。
ギャグのような会話で笑わせてくれた作品ですが、テーマはシリアスでせつないもの。
わりと早い段階でそれに気づくけど、思いがけないラストにじーんとして、真ん中あたりに出てきた今村と若葉がポテチを食べるシーンを読み返したくなりました。


それから、伝奇モノのような、ちょっぴりホラーテイストのようなミステリ、『サクリファイス』も面白かったです。
こういう“閉鎖的な山奥の村”という設定がかなり好きなんです。
余談ながら、村のおばあさんの話すズーズー弁(東北弁)がなつかしくて!
村人たちが車座になって歌いながら回す大きな数珠、これ、私もやったことがありますよ。
もちろん生け贄のためじゃなく、お葬式でのことなんですけど。




★★★★★





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『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂 幸太郎  

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)
(2006/05)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、正確無比な“体内時計”の持ち主雪子は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に―史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な連鎖を始め…。絶品のプロット、会話、伏線が織りなす軽快サスペンス!伊坂ブームの起爆剤にして、映画化で話題の「陽気なギャング」ここに待望の復活。



陽気なギャングが地球を回す』の続編ということで、あの個性的な4人組に再会できて嬉しい!

今回は短編4本の前半と、それらを伏線にした中編の後半で構成されている。
前半の短編たちは4人それぞれが主人公となっていて、全く違う事件なのに微妙に繋がりがあったりしてニンマリさせられる。
どれも、短いながらも巧妙なトリックや謎解きがあって、推理小説としてとても楽しめた。

でも後半の誘拐事件になったら、ちょっとペースダウン。
なぜだろう……キャラクター、特に、誘拐された社長令嬢があまり好きになれなかったからかな?
リピートされることで笑いを取る台詞回しも、あまりにくどいと胸焼けしがちです。

でも、前作よりも久遠の出番が多くて嬉しかったです。
久遠、可愛いんだもの。


ちなみに、本作を読み終わってから映画『陽気なギャングが地球を回す』もレンタルDVDで観ました。
が、こちらはちょっとガッカリだったなー。
原作の方が断然面白いです!

★★★★☆



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『モダンタイムス』伊坂 幸太郎  

モダンタイムス (Morning NOVELS)モダンタイムス (Morning NOVELS)
(2008/10/15)
伊坂 幸太郎

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検索から、監視が始まる。

岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねぇんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」

(オビより)



命がけの恐妻家であるSEの渡辺は、ある日、失踪した先輩エンジニア・五反田が残した仕事を上司から任され、奇妙なプログラムに遭遇した。
その正体を解読するうち、一見すると何の繋がりもなさそうないくつかの単語に出くわす。
それらのうちの一つは、数年前に私立小学校で起きた大量殺人に関するものだった。
漫画週刊誌『モーニング』で連載された長編サスペンス。


いや~、面白かったです!
まさに「I couldn't put this on! 」という表現がぴったりなほど、お風呂中も食事中も手放せませんでした。
しかも、なんたって伊坂さんですからね、伏線も台詞のひとつひとつも逃さないよう、じっくりと没頭。

今回もまた、濃いキャラに囲まれた普通の人な主人公が巻き込まれていく話で、たとえば“夫の浮気を疑った妻に雇われた男に拷問される”なんて絶対あり得ないようなことなのに、サラリと読まされてしまう伊坂ワールドです。
でもね、その昔、鈴木光司の名作ホラー『リング』を初めて読んだ時に再認識したのだけど、フィクションでは、自分の身に実際に起こりそうなことほど、恐怖をかき立てられるんですよね。
いや、拷問屋さんなんて一生お目にかかることはないでしょうけど、ウェッブ検索ができない生活なんて考えられないくらい、私などはネットに依存してますもの。
それに、私のようなド素人でさえも、自分が運営するHPのソースに、隠しページのURLをコメントに紛れ込ませたりといった小細工してますからね。
そういう理由からも、本作前半のネットやプログラム上の謎を追いつめてるあたりが、実際に心拍数上がりそうなくらいハラハラドキドキでした。
(作品中で問題になってる単語たちを、実際にググッってみてくださいw)


この前大学のアメリカンヒストリーの授業で教授が言ってたんですけど、「そもそもインターネットは、アメリカが軍事面の便宜上、力を入れて普及させたものであって、特に9-11以降では、ネット上でやり取りされるすべての情報(個人のメールであっても)はCIAによって監視されていると思ってよい」とのこと。
まさか私が日本語で書いてるブログやサイトの駄文などCIAは見てるはずもないけれど、必要があれば個人ユースのホットメールなんか、簡単に閲覧できるってことらしいんです。
そんな話も聞いていたので、この作品は、甘い警戒心のままネットに依存してる社会に対する警鐘のようにも読めました。


『魔王』の約50年後という設定で、続編とのこと。
かわいいおばあちゃんになった安藤詩織も出てきます。
でも、この『モダンタイムス』単独で読んでも充分楽しめるんじゃないかな。
今回もまた、伊坂さんのメッセージがもりだくさんなので、そこらへんも読み解いてしみじみしました。
主人公・渡辺の友達で、俗物っぽい作家の井坂好太郎もいいことたくさん言ってますから(ちょっと鬱陶しいけどw)、これも伊坂さんの分身からのメッセージとして読みとっていいと思いますよ、絶対。
(だってほんとに伊坂さんの作品には、嬉しいほど体言止めがないんだもの)

そうそう、そういえば、伏線(?)が謎のまま放置されて終わってる、とのマイナス意見も聞かれますが、そのくらい、他の作家さんに較べたら気になりませんよ。
これまでの伊坂さんの作品が、こだわりすぎるくらい伏線の回収にこだわていたんじゃないかと思えるほどで。
むしろ、最後まで明かされなかった渡辺の妻・佳代子や愛人・桜井ゆかりの素性や、謎のクライアント・ゴッシュの正体などは、次の作品に繋がればいいよ!
と、続編を熱烈に期待。





連載中のイラストも収録した『特別版』も欲しくなるなぁ。

モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)
(2008/10/15)
伊坂 幸太郎

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伊坂さんは、文庫化に際して加筆する作家さんなので、文庫になったらぜひまた読んでみたい作品です。
そのくらい面白かった!




★★★★★





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『終末のフール』伊坂 幸太郎  

終末のフール終末のフール
(2006/03)
伊坂 幸太郎

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出版社 / 著者からの内容紹介
あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。



ミステリというより、SF人情ドラマ?
ひとつひとつのお話は短いですが、それぞれに違ったテーマで書かれていて、込められたメッセージも深くてすごくよかったです。
まったく別の8つの短編が収録されていますが、舞台がひとつの団地とその周辺なので、さりげなく登場人物が繋がっていたりします。

あと3年で、小惑星の衝突によりすべてが終わってしまうと自覚した人たちのお話で、ああ人間て、これがラストチャンスだよと宣言されなければ真剣に考えないことや、わかっているのに行動に移せないことって、たくさんたくさんあるんでしょうねぇ。
それが普段からできていたら、人生はもっと充実するし、世界はもっと平和だろうに。

小惑星衝突のニュースが発表されてから数年間は日本中が混乱し、パニックの暴徒に巻き込まれて亡くなる人、強盗強奪によって殺される人、絶望して自殺する人があとをたたなかったけど、あと3年ともなると、ある程度淘汰されたというか、生き残っている人々は冷静で、限られた時間をどこで、誰と、どうやって過ごそうかと、一見静かに静かに、けれど何かの拍子でバチンと弾けてしまいそうに張りつめた恐怖とと哀しみを抱えて生きているんです。
映画『アルマゲドン』より『ディープ・インパクト』の方が好き!という方なら、きっと好きな作品だと思います。

以前読んだNevil Shuteの『On The Beach』という小説を思い出しました(こちらは核戦争の果てに、ゆっくりと世界を侵食してゆく放射能に怯えながら、生き残った人々が静かに死を待つ話)。



追記には、各話のあらすじを書いておきました。
ネタバレはしてないと思います!
私は『演劇のオール』が好きだな。
悲しいのに、なんだか気持ちが温かくなってウルッときました。



★★★★★




↓こちらもおすすめ
On the BeachOn the Beach
(2002/10/31)
Nevil Shute

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『砂漠』伊坂 幸太郎  

砂漠(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)砂漠(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)
(2008/08/01)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく―。



ミステリというよりは、青春麻雀小説?
伊坂さんお得意のきわだったキャラクターの5人が送る大学生生活を、入学時から描いています。
バイトや麻雀や合コンや論文や……そんな“日常”にプラスして、ホストとの賭けボウリングや超能力や連続強盗事件などの冒険。


……感想の結論から言ってしまうと、全然入り込めなかったなぁ。
台詞回しやキャラは好きなんだけど。
まず、私の場合、麻雀のルールを全く知らない。
ついでに言うなら、ボウリングのルールもほとんど知らない。
そして一番、この作品に入り込む資質がなかったと思うのは、私は大学に行っていないこと(今でこそ学生だけど、アメリカの大学だし基本は主婦なので、日本の大学のことがよくわからない)。
だからきっと、この作品のオイシイ部分の多くを私は理解できなかったんだよ。

他の方のレビューを見ていると、やはり「自分の学生時代を思い出した」、「懐かしく共感できた」という感想で高評価なのね。
私は、大学進学率がぐーんと上がったバブル期に高校を卒業したのだけれど、まぁ、いろいろな事情で進学はしなかったから、勉学だけではなく、子供(高校生)から大人(社会人)への過渡期に『砂漠』へと踏み出す準備期間を得ることができた作品のキャラたちが、ただうらやましかったな。
(好きな仕事に没頭していた自分も幸せだったけど)




★★★☆☆



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『アヒルと鴨のコインロッカー 』伊坂 幸太郎  

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
(2006/12/21)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。



こ、これは!
ちょっとでも内容につっこんだことを書くとネタバレになりそうだし、トリックがバレたらミステリとしてダメじゃん! という以前に、この作品のすごーく深い良さと面白さが半減してしまいそうだから、非常に書きにくいです。
なので、シンプルに感想だけ。

毎回書いてることですが、伊坂さん特有の、たくさんの伏線が手品のように回収される爽快さに加えて、この作品は切ない青春小説。
友情とか人種差別とか、孤独感とか、命の重さとか、なんかもう、いろいろ作家さんのメッセージが詰まっていて、泣いてください的な文章なんかひとつもないのに、悲しいというより寂しくて切なくて泣けました。
社会派というほど綿密に批判的に書いてるわけでもないし、人間を濃厚にドロドロと書き込んでるわけでもない。
だけど、現代の希薄なようでいて、反面誰かを求めている人間関係みたいなのが、さらりとした文体で描かれてるのがまたいい。
……うまく説明できないけど。

『重力ピエロ』と共通点の多い作品だなー、とも思いました。
そして、さらに熟成された印象。
もっと早く読めばよかった!
最近の作品もちょこちょこ読んでるのに、ちょっと前のこの作品で、伊坂幸太郎という作家さんの印象が大きく変わりました。
ますます大好き!


★★★★★



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*読了の翌日にはDVDも観ました。


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『重力ピエロ』伊坂 幸太郎  

重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫)
(2006/06)
伊坂 幸太郎

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内容(「BOOK」データベースより)
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。



これまでの3作は、伊坂氏独特の叙述や構成の巧みさが際立っている印象でしたが、今作はそれにも増して、著者のメッセージのようなものが強く感じられてとても心に残りました。
何度か出てくる一文、『本当に深刻なことは陽気に伝えるべき』(だったかな?)とあるように、レイプというメインテーマが仰々しくなく描かれているぶん、よけいに深く胸に刺さりました。

慎重でもの静かな兄・泉水、性的なものを忌み嫌う美しい弟・春、平凡なようでいて大切な言葉で家族を救う父、前向きで優しい母、不気味で一途なストーカー・夏子、謎の探偵・黒澤……。
個性的で魅力的なキャラクターたちの台詞にはきっと、伊坂氏が伝えたいことがたくさん込められているんだろうなぁと、書き残したい印象的なものがたくさんありました。
ここで書くとネタバレになってしまうので書きませんが。

ミステリとして私が嬉しかったのは、街の落書きと遺伝子配列をもとにした暗号解読があったこと。
暗号モノって、なんか好きなんですよねー。

爽快な伏線の回収だけでなく、トリックや、社会派ともいえそうな動機の深さも備えた、贅沢なミステリだと思いました。



★★★★★



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『陽気なギャングが地球を回す』伊坂 幸太郎  

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
(2006/02)
伊坂 幸太郎

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出版社 / 著者からの内容紹介
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!



“都会派サスペンス”? ん?

4人組の銀行強盗のお話なんですが、サスペンスやミステリというよりはドタバタ喜劇のようで、伊坂さん独特のちょっと冷めた感じのユーモアが満載です。
特に『嘘しか言わない』とされる演説の達人、響野の世界観というか屁理屈というか、人をやり込める言い分がいちいち面白い。
銀行強盗なのに妙に正義感が強かったり、それぞれに特殊能力があるのに人間臭かったりするから愛しくなってしまいます。
例えば逃走車担当の雪子は抜群のドライビングテクニックと精巧な体内時計を持っているのに、一人息子の慎一のためなら簡単に人を轢き殺そうとするなど我を忘れてしまう溺愛ぶり。

前の2作よりも軽快でテンポよい展開とどんでん返しが楽しいこの作品。
でもこれまで同様、伊坂さんの倫理観、たとえば「弱い者いじめするな」とか「人類の傲慢さへの非難」、「障害者を特別視しない本当の意味での優しいまなざし」などなど、メッセージが随所に見られます。
……と、なんだかんだいっても、コミックを読むような気軽さで純粋に楽しめた作品でした。

あ、のちの『チルドレン』に出てきた銀行強盗は、もしかして彼らなのかな??



★★★★☆




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