■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『夜行観覧車』湊 かなえ  


夜行観覧車夜行観覧車
(2010/06/02)
湊 かなえ

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内容(「BOOK」データベースより)
父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。




坂の上の高級住宅地・ひばりヵ丘。
この地に小さな一戸建てを手に入れた遠藤家と、その向かいに住む高橋家の視点で語られてゆく。

長年の夢を叶えて引っ越してきた遠藤家だったが、中学生の一人娘は癇癪持ちで、少しでも気に入らないことがあると手当たり次第に物を投げて暴れるので、両親は娘の顔色を伺いながら暮らしてる。
かたや進学校に通う同じ年齢の男の子と、名門高校に通う女の子がいる高橋家は、『大きな家に住む、育ちのいい医者の家の子』という、遠藤家からみたら羨ましいばかりの家族だった。
しかし、高橋家の夫を妻が撲殺するという事件が起きた。
静かで平和な家族に何があったのか。



救いのない残酷さがクセになる湊かなえ作品。
今回もイヤ~なティーンエイジャー書かせたら、すっごいですよリアルで(笑)。
うちもね、まぁ一番大変な時期は過ぎたと信じたいんですが、いろいろメンドクサイお年頃の娘がいるので、遠藤さんちの奥さんの堪忍袋の緒が切れる感覚がなんとなくわかります(^^;

今回の作品では、傍目には円満で幸せそうな家族でも、家の中ではどこもいろんな問題抱えているのがよくわかる。
そして、ほかの人が聞いたらどうということもないひと言でも、その人にとっては堪忍袋の緒が切れるスイッチにもなるんだ、ってこと。

毎回暗い気分になるのだけど、今回はちょっとジンとくるシーンもあったな。
「いい子たちじゃん!いいパパとママじゃん!」
と。
……そういう子とは、何がどうなって違いが現われちゃうのかね。
遺伝子なのか、育て方なのか、食べ物なのか。


いろんな人たちの証言を繋ぎ合わせて見えてくる真相。
でもきっと本当のことなんて、殺した本人にしかわからないんだよ。
救いなのか更なる闇なのか、どちらとも取れるラストもよかったです。

あ、ついでに小島さんの息子さんも、何年も前から床下に……という展開を期待したんだけどなぁ(笑)


★★★★☆




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『贖罪』湊 かなえ  


贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
(2009/06/11)
湊 かなえ

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内容(「BOOK」データベースより)
取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる―これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?衝撃のベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリ。本屋大賞受賞後第一作。




甘い香りまで漂ってきそうな、美味しそうで可愛らしいベリーいっぱいの表紙ですが、中身は鳥肌が立つような殺人事件とドロドロした湊かなえ節です。

5人で遊んでいた少女たちに、「ちょっと手を貸して欲しい」と声をかけてきた見知らぬ男。
たまたま指名された背の高い少女が、人目につかないプールの更衣室で殺されてしまう。
一緒に遊んでいた他の4人は犯人逮捕を願うが、どうしてもその男の顔が思い出せず、後悔と自責を抱えたまま大人になってゆく。

と、重すぎるトラウマも痛々しいのだけど、「どこそこの誰々ちゃんが……」的な会話がごくごく当たり前な『穏やかな田舎町』という設定も怖いです。


それにしても、体の成長の個人差が目立つ小学校5~6年生の年頃の女の子って、危ういんだよなぁ。
公園で友達と遊んでても大柄な子は変態野郎に目を付けられやすいみたいで。
帰り道をつけられたりとか、いやらしい言葉をかけられたりとかいろいろあったんで、当時の自分の腹立たしさが蘇ったりしてなおさらゾッとする話でした。

体は大人になりかかっていてもまだまだ子供なので、突き刺すような大人の言葉による呪縛も、この作品の怖さでした。



★★★★★



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『少女』湊 かなえ  

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアへ行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?
(表紙カバーより)



『告白』がビギナーズ・ラックではなかったと嬉しくなった湊かなえの2作目。
代わる代わる、二人の女子高生目線の一人称だというし、“ブルセラ”なんて言葉(死語?)を連想させる清純というよりは下心ありげな表紙だし、ケータイ小説に出てくるような台詞が繰り広げられたらいやだなぁと躊躇したんですが、読んでみてよかったです。
この作家さんの“黒さ”はクセになりそう。
文章も上手いし、かなり好みです。

それぞれの理由を胸に、病院と老人ホームで手伝いをする由紀と敦子だが、目的は同じ『人が死ぬところを見たい』というもの。
しかもできるだけドラマチックに、と演出まがいのこともしてみるのだけれど……。

「女子高生、こえぇ!」って前半は、なんかこう、眉間にしわ寄せて読んでいたものの、だんだんと二人が抱える傷とか優しさがわかってきたら、せつなくなりました。
特に、一見冷たいキャラクターの由紀には、かなり感情移入しました。
可哀想だし、本当は優しい子だし、友達想いで痛々しいほど。

相変わらず黒いけど、『告白』よりも救いがあるラストかな。
ただ、伊坂幸太郎作品のように、いろんな人たちが意外なところで繋がっているのがあまりに多すぎて、やり過ぎに感じました。
表紙は、最初の印象のような変な意味じゃなくて(笑)、ストーリーの意図するところをうまく表現しているなぁと、読後に納得しました。
もう子供じゃないし、まだ大人じゃないし。
窓の外に二人で何を見て、何を考えているのかわからない不気味さ。
似た髪型で同じ服を着て向かい合っていても、お互いの顔は見ていなくて、触れそうで触れない距離みたいな。



次の作品にも期待。




★★★★☆




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『告白』湊 かなえ  

告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

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内容紹介
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。



中1の終業式の日を最後に辞職する担任教師・森口(専門は化学)が、生徒たちに別れの挨拶をする中で、校内で自分の4歳の娘が事故死したのは、この中の2人による殺人だったと告げるホームルームのシーンで始まります。
淡々と話すこの女性教師は、とても教養があるんだろうけど、教職への情熱は持っていないような冷静さ。
もともとそういう人なのか、子供を殺されたことでそうなってしまったのかはわからないけど、しょっぱなからとにかく「この人、なんか怖いな」と思いながら読み進め、

愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。



衝撃的なこの告白で、中断できなくなり一気読みでした。

事故死として片付けられてしまった娘の殺人。
たまたまの偶然もあって、自力で犯人を見つけてしまった教師は、しかし未成年への法的裁きが軽いことから告発はせずに、自らの手で復讐することを決め、この終業式の日に秘かに決行しました。
そしてそこから一気に、負の連鎖が始まります。


デビュー作でこれだけの伏線とオチが書けるなんてすごいと思う。
文体も落ち着いているし、森口先生、彼女の元婚約者で愛美の父親である“世直しやんちゃ先生”、森口辞職後の新担任“ウェルチェル先生”、そして犯人である少年AとBのキャラクターの書き分けが与える印象の効果など、細部に渡って「うまいなぁ」と唸ってしまう作品でした。
ただ欲を言うなら、もっとリアリティを持たせるために、薬品や火薬、メカニズム的に正確で緻密な描写もあるとよかったのに、と思いました。
(あー、でも、そういうのって書いたらマズイのかな?)

アマゾンのレビューを読んでいると、ラストは賛否両論だし、全体的に暗すぎるとか救いがないなどネガティブな感想も多いみたいですが、私はむしろ爽快感すら覚えました。
え? 私って歪んでるのかも??

いや、作品の冒頭でも、森口先生の口から語られる一連の少年犯罪(明らかに現実にあった○○事件とか△△事件であることがわかる)で、大人顔負けの残忍な人殺しをやっていながら年齢が満たないという理由で軽い罰しか与えられないことに対して、私も日頃から疑問を感じていました。
だから、日本の法律では復讐しきれない憎しみを、暴力よりも知能を使って自分の手で果たした森口先生に拍手を送りたい気持ちでした(怖い人だけど)。
ラストもね、私の想像をはるかに上回る復讐で、「おー、そこまでやっちゃったか!」って感心しましたもん。
……なんて、こんなことを書くと非難されそうですが。

だって光市の母子殺人事件だって、足立区であった女子高生コンクリート詰め殺人事件だって、神戸市の酒鬼薔薇なんちゃらによる殺人事件だって、かけがえのない家族を奪われたばかりか殺人者は少年法によって守られてるなんて、遺族の悔しさは私が想像できる範囲を超えてると思うの。
その悔しさを、フィクションではあるけど、少しはやり返してくれたような印象でした。



ちなみに、私がアメリカに引っ越してきたばかりの頃に思ったのは、「ここで一番怖いのは拳銃でもドラックでもなく、ティーンエイジャーかもしれない」ってことです。



★★★★☆




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