■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『Scene from the Movie Giant』Tino Villanueva  

Scene from the Movie GiantScene from the Movie Giant
(2005/07/30)
Tino Villanueva

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メキシカン・アメリカンの詩人、ヴィラヌエヴァの詩集で、一冊まるごと映画『ジャイアンツ』の、ほんの10分あまりのシーンについて書かれています。

『ジャイアンツ』といえば、ジェームス・ディーンやロック・ハドソン、エリザベス・テーラー出演のアメリカ映画。
人種差別も色濃く残る、第一次世界大戦後の東部が舞台の人間ドラマです。
問題のシーンにジェームス・ディーンは出演していませんが、当時白人男性のシンボル的俳優・ハドソンが「おまえ、人種差別すんなよ!」と殴り合いの喧嘩をして負けてしまいます。

この映画を14歳の時に初めて観たヴィラヌエヴァが、何年経っても脳裏から離れないたった10分のシーンへの怒りや悲しみが込められた詩集で、冒頭はさざなみのような悲しみが、だんだんと爆発的な怒りになっていく力強い作品。


★★★☆☆


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『Gary Soto: New and Selected Poems』Gary Soto  

Gary Soto: New and Selected PoemsGary Soto: New and Selected Poems
(1995/03)
Gary Soto

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メキシカン・アメリカンの詩人、ゲイリー・ソトの詩集。
『New and Selected』とサブタイトルにあるように、どれも厳選された素敵な作品ばかりです。

詩人としてだけではなく、編集者として、また作家としてたくさんの作品を送り出しているソト氏。
本業であるこの詩集では、思わず声を立てて笑ってしまうようなユーモアと、暖かな家族愛、光溢れる未来への希望が満ちています。
そして、どこかチクリとする部分も。

彼のヤングアダルト向け小説も読みたくなります。


★★★★☆


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『 Zoot Suit』 Luis Valdez  

Zoot Suit (Pioneers of Modern Us Hispanic Literature)Zoot Suit (Pioneers of Modern Us Hispanic Literature)
(2004/11/30)
Luis Valdez

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ラテンアメリカ文学の授業で読んだ戯曲。

zoot suit(ズート・スーツ)とは、1940年代のメキシカン・アメリカンの間で流行した服で、この服を着る人たちは『zoot suiter』と呼ばれていました。
しかしこれはただのファッションではなく、ひとつのシンボルで、着る人たちは不良とかギャングとか呼ばれがちだったようです。

白人による人種差別や偏見、メキシカン・アメリカン二世たちのアイデンティティや反抗や葛藤など、この服の持つ意味は深く、それを上手く表現したのがこの作品。

本来は舞台でのお芝居のために書かれた脚本ですが、映画(DVD)にもなっていて、私は映画の方が好きです。
心の声(?)なるEl Pachuco役の俳優さんの演技がすごい!!


作家のLuis Valdezはこの他にも『Los Vendidos』など、人種差別に訴えかける風刺たっぷりの作品を多数残しています。




★★★★☆


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『Pocho』Jose Antonio Villarreal  

PochoPocho
(1970/12/01)
Jose Antonio Villarreal

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カレッジのラテンアメリカ文学の授業で読んだ作品。

タイトルの『Pocho』とは米俗語で、『アメリカで生まれ育ったメキシコ人』という意味なんですが、実際は蔑視的な含みもあって、『アメリカ人になりたいメキシコ人』、『スペイン語をほとんど話せないメキシカン・アメリカン』、『メキシコ人になりたいアメリカ人』、『アメリカとメキシコを頻繁に行き来し、どちらをも故郷のように感じる人』という意味もあります。

この作品は、両親がアメリカに入植した、メキシカン・アメリカン二世の男の子が、双方の文化や人間関係の中で大人になっていく話。
第二次世界大戦が始まって、主人公が青年になったところで物語は終わるのだけど、それまでには小学校での差別や、英語を話せない(=かたくなにメキシコの文化を守ろうとする)両親への反発、白人の女の子との儚い恋、戦争が始まってコンセントレーションキャンプに送られるジャパニーズ・アメリカンの友達、などなど……いろんなことがあるわけです。
移民二世にとって、「自分は何人なのか」という自分への問いかけは、大人になるにつれ重くのしかかるものなんですよね。

私たち日本人は、「自国での暮らしが苦しくて」という理由でアメリカに住んでいるわけではないので、うちの子供たちが将来どこで暮らしても彼らの自由なのですが、やはり日本の文化やマナー、少なくとも日本語だけは身につけて欲しいと願ってます。
……でも、やがて彼らが日本を忘れてしまったら、こんな親の願いも鬱陶しくなるんだろうなぁ。

この作品は、同じくメキシカン・アメリカン二世の女の子の迷いや成長を描いた『The House on Mango Street』と対比されることが多く、対照的な彼らの選択はとても考えさせられます。


★★★☆☆


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The House on Mango StreetThe House on Mango Street
(2000/06)
Sandra Cisneros

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『The Piano Lesson』August Wilson  

The Piano Lesson (Plume Drama)The Piano Lesson (Plume Drama)
(1990/10)
August Wilson

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大学の『Critical Writing』の授業で使った戯曲作品。
ピューリッツァー賞ドラマ部門で大賞を受賞。


【あらすじ】
ある黒人一家が暮らすアパートの一室。
決して裕福とは言えない生活に不釣り合いなピアノが置かれている。
この曾祖父が残したピアノを巡って、「売った金で土地を買いたい」と強引にでも運び出そうとする弟と、「家族の思い出が詰まったピアノは絶対に手放さない」と抵抗する姉。
それぞれの言い分には、うなずけるだけの理由があるのだが……。


---------------

私は女だからでしょうか。
姉・ベニースの意見に共感するのですが、じゃあ、と冷静に考えてみると、彼女の主張は弟のものに較べて弱すぎて、「負けるんだろうな」と思うわけです。

今は亡き先祖たちの姿が彫刻されたピアノ……弾く人が誰もいなくなっても、それはやはり手放せないだろ?
しかも奴隷だった時代に、家族の誰かと引き換えに入手したんですよ、このピアノ。
でも、弟の言い分の方が説得力ありますよね。

このピアノは『過去』の象徴であり、ベニースは過去にしがみついて生きている人に思えました。


★★★☆☆


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『The Yellow Wallpaper』Charlotte Perkins Gilman  

The Yellow Wallpaper (Bedford Cultural Editions)The Yellow Wallpaper (Bedford Cultural Editions)
(1998/03)
Charlotte Perkins Gilman

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私が読んだのはこのバージョンではなく、しかも表題の作品のみです)


1892年に雑誌で発表された『The Yellow Wallpaper』は、著者がわずが2日間で書き上げたとされる短編小説です。

物書きである主人公の女性が、出産後に「体を休めるように」と書くことを夫と主治医から止められ、さらには「きみは何もしなくていいから」と見当違いな優しさで幽閉され、次第に精神を病んでいきます。

彼女の見る幻覚の描写がおどろおどろしく、この作品はホラーにも分類されているようですが、深く読み込めばフェミニズム文学であることがよくわかると思います。

私的には共感する部分が多く、短いながらも衝撃的な作品でした。

こちらで読むことができます。


★★★★★


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『Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe』Fannie Flagg  

Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop CafeFried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe
(1999/10)
Fannie Flagg

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とにかく面白い!
映画も観ましたが、やはり原作のほうが断然イイです。

ストーリーは、現在と過去の2本立て。
老人ホームで出会ったおばあさんの昔の思い出話に、夢中になっていく鬱病の中年女性。
ふたりの間に徐々に育っていく友情と、思い出話に出てくるふたりの女性の友情(愛情)を軸に、夫婦や家族のあり方、社会における女性の立場、人種差別、貧困、DV、同性愛、いじめ、身体障害者、老い……などなど、本来重いはずの問題が、ユーモアを交えつつ、著者の温かな目線で描かれています。
そしてちょっぴりサスペンス仕立て。

特に女性にお薦めしたい、応援歌のような作品です。


★★★★★


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『Our Iceberg is Melting』John Kotter  

Our Iceberg is MeltingOur Iceberg is Melting
(2006/09)
John KotterJohn Kotter

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自己啓発書?

イラストのブリーフケースを持ったペンギンでもおわかりのように、読者層の狙いはサラリーマンと思われます。


大きな氷の上で暮らすペンギンの群れ。
「昨日も大丈夫だったんだから明日も大丈夫だろう」と過去を信じて疑わないヤツ。
「新天地は必ずある」と環境の変化を怖れないヤツ。
……いろんな性格のペンギンがいます。
そして、足元の氷が溶け始めていると気づいた時に、自分だったらどんな行動を取るのだろう。

とまぁ、『チーズはどこへ消えた?』と通じる部分のある本です。
本文に関しては好きずきあると思うけど、ユーモアたっぷりのイラストがとにかく可愛くて笑える。


★★★☆☆


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『The Five People You Meet in Heaven』Mitch Albom  

The Five People You Meet in HeavenThe Five People You Meet in Heaven
(2006/03)
Mitch Albom

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ノンフィクション『Tuesdays with Morrie』で私を号泣させたミッチー・アルボムの、こちらはフィクションです。
83歳の主人公・エディが事故で亡くなり、彼が天国で出会う5人の人々のお話。

『Tuesdays ....』でも思ったんですが、著者のミッチーは仏教思想の影響を、少なからず受けているのでは?という印象が強くなりました。
このお話に輪廻転生は出てきませんが、エディが天国で出会う5人は、彼が自覚のあるなしに関わらず、人生のどこかで出会っていて、大きな影響を与え合った人ばかり。
そういう考え方って、キリスト教にもあるのかなぁ。

泣ける、というよりは、生きるということをいろいろ考えさせられる本でした。


★★★★★


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『The Kite Runner』Khaled Hosseini  

The Kite RunnerThe Kite Runner
(2004/04)
Khaled Hosseini

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読了したのはもう2年近く前なのだけど、読後数日間放心状態が続いてしまうほど強烈でした。
もちろんレビューなど書けず、おかげでこの本の後、長い間mixiレビューをさぼってしまいました。



この作品、なんと著者の処女作にしてベストセラー。
フィクションとは言っていますが、あまりの鮮明さに著者の自伝ではないかと思ってしまうほどです。

舞台は70年代のアフガニスタン、身分は違えど、仲良しの少年ふたりが遊ぶほほえましい光景から始まります。
やがて、子供にありがちなささいな躓きが大きな溝となり、ふたりを分ち、歴史の波に呑み込まれていく彼らの半生を描いた作品。

友情、裏切り、父と子の関係、少数民族への差別、内乱、ソビエト軍の侵攻、そして償いと心の再生。


――大人になったら忘れてしまうような子供の頃の小さな過ちが、もしかしたらこんな風に、誰かの人生を大きく変えてしまっているのかも……
――もしかしたら自分も、気づかぬうちに誰かの苦しみの上に立って生きているのかも……
そう思わされて、怖くもなりました。


大袈裟でなく、深夜に何度も泣き叫びながら読みました。
本当に、これほどまで胸が張り裂けるほど読み進めるのが辛く、同時に読まずにいられなかった作品は、これまで出会ったことがありません。
そして、主人公は後半の人生を償いにあてたのだなぁ、と、最後は浄化されるように、読み手も清々しい気持ちになれます。

星5つでは足りません。
10個ぐらいつけたい。

日本語版も出版されたそうなので、たくさんの人に読んで欲しい作品です。


★★★★★

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