■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『壬生義士伝』浅田 次郎  

壬生義士伝 上   文春文庫 あ 39-2壬生義士伝 上 文春文庫 あ 39-2
(2002/09)
浅田 次郎

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壬生義士伝 下   文春文庫 あ 39-3壬生義士伝 下 文春文庫 あ 39-3
(2002/09)
浅田 次郎

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内容(「BOOK」データベースより)
小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。“人斬り貫一”と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。元新選組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。浅田文学の金字塔。




いわゆる“新選組モノ”としてはあまり取り上げられないが、新選組最強と囁かれた実在の隊士・吉村貫一郎の生涯を描いた作品。

南部盛岡藩の脱藩浪士であった吉村貫一郎は、新選組隊士として加わった鳥羽・伏見の戦いで満身創痍となり、やっとの思いで辿り着いた大坂・盛岡藩蔵屋敷に助けを求める。
しかし、対応した差配役で、貫一郎の幼なじみでもある大野次郎右衛門が「武士の恥」と切腹を命じるところから物語は始まる。
次章ではすぐに時代が切り替わり、大正時代の神田へ。
そこからは、かつて貫一郎と関わりのあった人物――元新選組隊士や旧友、子孫ら――によって貫一郎との思い出が語られ、次第にその人物像が浮き彫りになってゆく。

隊士時代には金のために働き、自分はどんなにボロを纏っても、小銭残らず郷里の妻子に送った貫一郎は、当時の武士の理想像からはかけ離れていて、守銭奴と呼ばれ隊内でも陰で蔑まれたりもしていたが、本人は「自分の女房子供が守れなくて、どうして藩や、ましてや国が守れる?」という姿勢を貫き通した。
一流の剣技をもっていながら、家族を養うためならみっともなくても情けなくても一向に気にする様子もなく、さらには学問にたけ、情け深い人柄は、物語が進むにつれて、私の中で武士というよりも一人の男、さらには夫として父として、惚れずにはいられなくなる。
かつては狂犬のように怖れられた新選組の中にあって、唯一の良心、というか、血の通った人間のような気さえしてくる。

さらに、……このあたりは浅田氏の脚色によるものが多いのだろうが、五稜郭で最期を迎えた土方歳三と共に戦ったとされる貫一郎の息子の生涯も、涙なしには読めない。
幕末の尊王攘夷という歴史に翻弄されつつも、愛と友情と郷土愛に生きた吉村三世代の物語かもしれない。
ほんと、大袈裟じゃなく、普段からあまり“泣ける系”は読まない私にとって、これまでで一番泣いた作品。
下巻などは泣きっぱなしです。


大昔に和田慎二のコミック『浅葱色の伝説』で興味を持ち始めたものの、これまであまり深読みしていなかった“新選組モノ”、ここにきて俄然ハマりました。
コミックでは沖田総司にときめいてたけど、この作品では大正まで生き延びた斎藤一さんにホレる(笑)。


そうそう、私的な余談ですけども、我が家のルーツも親類縁者も皆、東北~北関東の出身なのです。
だから作品に出てくる盛岡も会津も山形も仙台も縁があり、若かりし日には東北~北海道はオートバイで何度も旅した土地なので、方言も、東北人気質も、山並みの風景もリアルに脳内映像化できたため、よけいに泣けたのかも。

時代小説としてはもちろん、家族愛のドラマとしてもおすすめです。


2002年に渡辺謙主演でドラマ化、2003年には中井貴一主演で映画化されている。




★★★★★







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