■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『カラフル』森 絵都  

カラフルカラフル
(1998/07)
森 絵都

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内容(「BOOK」データベースより)
いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくはさしてめでたくもない下界生活にまいもどり…。ハートウォーミング・コメディ。



死んでしまった主人公の“ぼく”は、天使に言われるがまま、死亡宣告を受けたばかりの14歳の少年・小林真の体を借りて生き返ることになった。
しかしそれは、ぼくが前世で犯した過ちを思い出すための“修行”でもあった。
片や真の死因は睡眠薬自殺だったため、奇跡的な生還に喜ぶ両親は腫れ物に触るように真を扱った。
さらに、利己主義な父親、不倫している母親、真を憎む兄、片想い中の女の子は援助交際をしている……など、ぼくは真の体の中で、真がどんな思いで生きていたのかを知る。
けれど、“真ではないぼく”が、真には言えなかったことやできなかったことを叶えるうち、周囲は少しずつ変わり始め、ぼくも大切なことに気づく。





子供の日本語補習校の図書室から借りた本。
中学生向けの棚から、あらすじも知らずに借りてみましたら、とてもいい本でした。
軽い文体でコミカルに書かれているけれど、真が直面していた問題は14歳には重くて醜くて、あり得ないストーリーなのに、その部分だけがリアルでした。

自分の世界を持っているが故に、クラスでは浮いた存在だった真。
何もかもが嫌になって絶望したのだろうが、ちょっと見方を変えれば、世界は違って見えるよ、ってお話。
『カラフル』というタイトルの意味が、終盤になってじーんと胸に染み入ります。


大人になってもきっと、真のような“生きにくさ”を感じてる人はたくさんいるはず。
中学生はもちろん、大人にもおすすめしたい作品です。






★★★★★





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『風に舞いあがるビニールシート』森 絵都  

風に舞いあがるビニールシート風に舞いあがるビニールシート
(2006/05)
森 絵都

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内容(「BOOK」データベースより)
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。



大人向けの短編集。

【器を探して】
23歳のケーキ職人・弥生は、崇拝するケーキショップのオーナーパティシェ・ヒロミの片腕として店を支えていくことに、誇りと生き甲斐を見いだしていた。クリスマスで東京の街が賑わう頃、撮影用の器を探してきて欲しいとのヒロミの命令で、プロポーズの気配を匂わす恋人を置き去りに、美濃焼を求めて岐阜へと旅立つ。

【犬の散歩】
なかなか子宝には恵まれないものの、理解のある夫ともに、これといって不自由のない生活を送っていた32歳の恵利子。
しかし、ひょんなことで、保健所に保護された死を待つだけの犬たちの里親を探すボランティアに関わるようになっていた。

【守護神】
ホテルでのアルバイトの傍ら、夜間部に通う30歳の大学生・祐介は、締め切り間近のレポートにお手上げの状態だった。
そんなおり、文学部の守護神・ニシナミユキの噂を知る。
なんでもミユキは、国文ならばどんなレポートでも教科書なしで、しかも無償で代筆してくれるという。

【鐘の音】
一度は美大の彫刻科で彫仏を学んだものの、苦悩と落胆を繰り返して中退した潔は、失意の中、仏像修復士の見習いとして、職人の元で働き始めた。
ある時、親方、兄弟子とともに住み込みで修復に赴いた寺。
そこで出会った本尊に、「俺が直してやる。どこのどいつよりも美しい像にしてやる」と誓う潔だったが、“彫刻家”ではなく、“修復士”としてできることとは。

【ジェネレーションX】
通販雑誌などを発行する弱小出版社に勤める健一は、小学3年生と生後3ヵ月の息子がいる平凡なサラリーマン。
掲載ミスのクレーム処理も行なう営業マンの健一は、クライアントである玩具メーカーの営業・石津を助手席に乗せて、顧客に個別に謝罪するため奔走していた。
健一よりも一回りほど年下の石津は、助手席でひっきりなしに携帯をいじり、どうやら高校のクラス会の根回しに忙しいらしく、健一はジェネレーションギャップのようなものを感じて苛立つ。

【風に舞いあがるビニールシート】
国連難民高等弁務官事務所に勤める里佳は、7年間の結婚生活ののち、深く愛し合いながらも離婚した夫・エドが、アフガニスタンの難民キャンプで命を落としたことを知る。
……同じ職場で出会い、お互いを理解していたように思えて、それでいてすれ違ってきた二人。
離婚して、亡くしてやっと、愛する人が命がけで求めていたものを知る。





児童文学作家の森絵都が描く、恋愛や結婚と自分の夢の間に揺れながらも、小さくても譲れない“自分の大切なもの”をひたすら信じて生きていく男女の物語。
今回は100%大人向け。
主人公たちと同年代の読者は共感をおぼえるだろうし、だいぶ前に通り過ぎた私らなどは、きっと、「うんうん、そんなことで悩んだ時期もあったよ」と懐かしく思えたり、後悔したりもすると思う。
けれど、なんというか、やっぱり森絵都ワールドというのかな?
森氏の児童文学の中に出てきた少年少女が大人になったら、きっとこの短編集に出てくるような、優しくて、それ故に損しがちで、それでも一本ビシッと芯が通ってて、少年少女だった頃のひたむきさを忘れていない……そんな大人になっていそうな気がします。

恋愛小説という枠には決してくくれない、「大人になったって、ちょっとばかり結婚が遅くなったって、自分の好きな物を追い求めて続けてもいいよね!」と、戸惑いがちな年ごろの背中を押してくれるような、前向きで力強い作品でした。
私としては、23歳当時の自分と重なる『器を探して』、ミステリっぽい『鐘の音』、ユーモラスでいて学生主婦として共感する『守護神』がお気に入り。

第135回直木賞受賞。




文庫版はこちら。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)
(2009/04/10)
森 絵都

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★★★★☆





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『DIVE!!』森 絵都  

DIVE!!〈上〉 (角川文庫)DIVE!!〈上〉 (角川文庫)
(2006/05/25)
森 絵都

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DIVE!!〈下〉 (角川文庫)DIVE!!〈下〉 (角川文庫)
(2006/05/25)
森 絵都

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内容紹介
オリンピック出場をかけて、少年たちの熱く長い闘いがはじまる! 2008年6月全国公開映画『DIVE!!』原作本。高さ10メートルから時速60キロで飛び込み、技の正確さと美しさを競うダイビング。赤字経営のクラブ存続の条件はなんとオリンピック出場だった!少年たちの長く熱い夏が始まる。第52回小学館児童出版文化賞受賞作。



趣味としてダイビング(飛び込み)クラブに通う坂井知季は、ごく平凡な中学生。
競技としてはそれほど意識したこともなかったが、余計な体脂肪を付けないために、夕飯を軽くしたり、甘い物を控えたりぐらいの努力はしている。
クラブ仲間のリーダー的存在、高校生の富士谷要一の両親は、ともに飛び込みの元オリンピック選手で、父親はクラブのコーチでもある。
サラブレッドと呼ばれる要一以外は、和気あいあいと練習するクラブだったが、経営難から閉鎖が噂されていた。
そこへ現われたのは、アメリカでコーチングを学んだ麻木夏陽子だった。
夏陽子は、クラブを経営するスポーツ用品メーカーの創始者の孫娘で、存続の条件として、このクラブからオリンピック選手を育てると宣言する。
そして知季、要一のライバルとして、伝説のダイバーを祖父にもつ沖津飛沫を津軽の海からスカウトしてくるのだった。




“爽やか青春モノ”、“スポコン児童文学”なんていう先入観があったため、表紙に惹かれて(上の写真ではなく、映画公開に合わせてキャストの俳優さんたちが表紙でした)購入したものの、長い間積まれていました。
うー、激しく後悔!
もっと早く読めばよかった!
児童文学作家ということでなかなか手が出せず、これが初・森絵都だったんですが、心理描写の上手さやテンポのよい展開、ユーモアあふれる会話など、あっという間に引き込まれました。

大体、飛び込み競技なんてTVで真剣に見たこともないし、根っから文系の私には、中高生のスポーツものにはついていけないんじゃないかと心配していましたが、なんのなんの。
体育会系のティーンエイジャーだって、恋愛や親子関係で悩んでたりするんですよね。
そこらへんがしっかり描かれているから、大人でも楽しめたんだと思う。
コーチとしてしか息子に接することができない要一の父や、平気なフリして飛沫を見送る恋人の恭子、知季への想いが空回りするガールフレンドの未羽と、未羽に片想いする知季の弟、他のクラブ員たちの嫉妬や友情……脇役たちも魅力的で、それぞれのエピソードにもせつなくなる。

上下巻全体が4つの章に分かれており、1~3章は知季、飛沫、要一それぞれの物語。
クライマックスを迎える最終章では、手に汗握る試合と同時進行で、知季の弟や恭子らの想いも語られいく。
こんなに読み手を笑顔のまま涙させる作品を、児童文学という枠にくくってしまうのはもったいないと思う。


かつては男性関係が派手だった年上の恋人・恭子に、『男の一人も知らない女よりも、いろんな男を知ってる女に選ばれた方が光栄だ』と言う飛沫にホレる♪





映画もお薦めです!

映画『DIVE!!』





★★★★★







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