■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『失はれる物語』乙一  

失はれる物語 (角川文庫)失はれる物語 (角川文庫)
(2006/06)
乙一

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“白乙”と呼ばれる、せつない系ホラーの短編集。
現実にはあり得ない話なんだけど、どのお話でもホロリとさせられます。
『Calling you ...』、『しあわせは子猫のかたち』、『傷』でボロ泣きしました。

……あ、『Calling you ...』も『傷』も映画化されたんですね!
『KIDS-傷』はぜひ見たいですねぇ、なんたって徹平くんですから♪


そうそう、どのお話も、オタク系というか引きこもり系というか、不器用で繊細な若者が主人公なのですよね。
この短編集、10代の人たちの共感を呼んで人気なのでしょうけど、私としては、そんな若者たちの親の年代の今になって読んで良かったと思いました。
きっと、バリバリに仕事してた20代前半の自分では、こんなに優しく寛大な気持ちで感動することができなかったと思うから。



★★★★★


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category: 乙一

thread: ホラー - janre: 本・雑誌

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『Brown V. Board of Education: A Brief History With Documents』Waldo E., Jr. Martin  

Brown V. Board of Education: A Brief History With Documents (The Bedford Series in History and Culture)Brown V. Board of Education: A Brief History With Documents (The Bedford Series in History and Culture)
(1998/04/15)
Waldo E., Jr. Martin

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ライティングクラスで小論文の元ネタに使った本。

その昔、アメリカで学校や公共施設や乗り物までが、白人専用と有色人種専用に分けられていた差別をなくそうと、1950年代に繰り返し行なわれた裁判の判例をまとめたフィクション。
当時の新聞などに掲載された風刺絵から読者投稿、編集後記なども収録され、臨場感があります。

内容は興味深く、ひとつひとつが短いので読みやすいですが、原告、被告それぞれのシチュエーションなどが結構複雑だったり、裁判用語などが多くて苦戦しました。

あと、字が細かすぎて行間が詰まり過ぎ!!
新聞並みで読み続けるのが辛かった!!


★★★☆☆


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category: ノンフィクション

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『 Zoot Suit』 Luis Valdez  

Zoot Suit (Pioneers of Modern Us Hispanic Literature)Zoot Suit (Pioneers of Modern Us Hispanic Literature)
(2004/11/30)
Luis Valdez

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ラテンアメリカ文学の授業で読んだ戯曲。

zoot suit(ズート・スーツ)とは、1940年代のメキシカン・アメリカンの間で流行した服で、この服を着る人たちは『zoot suiter』と呼ばれていました。
しかしこれはただのファッションではなく、ひとつのシンボルで、着る人たちは不良とかギャングとか呼ばれがちだったようです。

白人による人種差別や偏見、メキシカン・アメリカン二世たちのアイデンティティや反抗や葛藤など、この服の持つ意味は深く、それを上手く表現したのがこの作品。

本来は舞台でのお芝居のために書かれた脚本ですが、映画(DVD)にもなっていて、私は映画の方が好きです。
心の声(?)なるEl Pachuco役の俳優さんの演技がすごい!!


作家のLuis Valdezはこの他にも『Los Vendidos』など、人種差別に訴えかける風刺たっぷりの作品を多数残しています。




★★★★☆


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category: フィクション

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『チーム・バチスタの栄光』海堂 尊  

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)
(2007/11/10)
海堂 尊

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『このミス』で話題だったし、たまには流行に乗ってみようと、私にしては珍しく新品で買った作品(アメリカでは定価の2倍近くするんです…)。

大学病院が舞台ということで、『白い巨塔』や『海と毒薬』の雰囲気を想像していたのですが、見事に裏切られました。
劇画タッチともいえる文章で読みやすく、ところどころ声に出して笑ってしまうほど。
また、キャラクターたちも魅力的です。

これぞエンターテインメント!
理屈抜きで純粋に楽しめる作品ではないでしょうか。
また、ミステリとしても、トリックも殺人動機も頷けるもので、これが現役お医者さんが書いたデビュー作だなんて。
続く作品がとても楽しみです。

あ、映画では田口先生が女性になってるそうですけど、これはぜひ原作のまま男性でやって欲しかったですねー。
(私が腐り気味だからじゃなくてw)
そうじゃないと、ラストシーン(原作の)が生きてこないような気が……。


★★★★★


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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))
(2007/11/10)
海堂 尊

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category: 海堂 尊

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『予告された殺人の記録』G. ガルシア=マルケス  

予告された殺人の記録 (新潮文庫)予告された殺人の記録 (新潮文庫)
(1997/11)
G. ガルシア=マルケス

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ノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家・ガルシア=マルケスの中編小説。
フィクションですが、現実にあった殺人事件を細かく取材して書かれたものだそうです。

ストーリーはタイトルが示すように、殺人者の口から周囲の人々に、また被害者本人にも手紙で殺人予告がされていたにもかかわらず起きてしまった事件。
小さな街の人々の、さまざまな視点から語られる事件の様相が、読むにつれて明らかになっていきます。

“名誉のための殺人”で釈放される文化というか……すごい国だな、と思いました。

翻訳がちょっと残念な感じで、星一つ減らしました。
(『百年の孤独』の翻訳者さんが上手すぎるのかも)

★★★☆☆


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category: 海外の文芸作品

thread: 文学・小説 - janre: 小説・文学

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『Pocho』Jose Antonio Villarreal  

PochoPocho
(1970/12/01)
Jose Antonio Villarreal

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カレッジのラテンアメリカ文学の授業で読んだ作品。

タイトルの『Pocho』とは米俗語で、『アメリカで生まれ育ったメキシコ人』という意味なんですが、実際は蔑視的な含みもあって、『アメリカ人になりたいメキシコ人』、『スペイン語をほとんど話せないメキシカン・アメリカン』、『メキシコ人になりたいアメリカ人』、『アメリカとメキシコを頻繁に行き来し、どちらをも故郷のように感じる人』という意味もあります。

この作品は、両親がアメリカに入植した、メキシカン・アメリカン二世の男の子が、双方の文化や人間関係の中で大人になっていく話。
第二次世界大戦が始まって、主人公が青年になったところで物語は終わるのだけど、それまでには小学校での差別や、英語を話せない(=かたくなにメキシコの文化を守ろうとする)両親への反発、白人の女の子との儚い恋、戦争が始まってコンセントレーションキャンプに送られるジャパニーズ・アメリカンの友達、などなど……いろんなことがあるわけです。
移民二世にとって、「自分は何人なのか」という自分への問いかけは、大人になるにつれ重くのしかかるものなんですよね。

私たち日本人は、「自国での暮らしが苦しくて」という理由でアメリカに住んでいるわけではないので、うちの子供たちが将来どこで暮らしても彼らの自由なのですが、やはり日本の文化やマナー、少なくとも日本語だけは身につけて欲しいと願ってます。
……でも、やがて彼らが日本を忘れてしまったら、こんな親の願いも鬱陶しくなるんだろうなぁ。

この作品は、同じくメキシカン・アメリカン二世の女の子の迷いや成長を描いた『The House on Mango Street』と対比されることが多く、対照的な彼らの選択はとても考えさせられます。


★★★☆☆


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The House on Mango StreetThe House on Mango Street
(2000/06)
Sandra Cisneros

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category: フィクション

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『砂の女』安部公房  

砂の女 (新潮文庫)砂の女 (新潮文庫)
(1981/02)
安部 公房

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【あらすじ】
日常に疲れた男が昆虫採集に出かけた海岸で、砂に埋もれかけたあばら屋に閉じ込められる。
終わりのない砂かきを続けながら、あの手この手で逃亡を企てる男と、引き止めてようとする女、そして逃亡を妨害する部落の人々。
しかし、いつしか男は……。

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海外で非常に評価の高い安部公房の代表作。
「どうしてこんな表現が思いつくの!?」とハッとさせられる、それでいて的確な比喩や描写が溢れています。

冒頭からあり得ない話だとわかっているのに、ミステリのようなSFのような、昔の筒井康隆作品のようなパラレルともいえる不思議な世界に引き込まれ、一気に読んでしまいます。
ですが、文学作品なので、そこに込められたものは深く大きく、私ごときではうまく語れませんので多くの人にぜひ読んでいただきたいです。

1962年に発表されたこの作品は、主人公の男性が家庭や日常生活に埋もれていき、やがて野心をどこかに置き忘れたことすら忘れてしまうごく普通の男性のように私には思えましたが、2008年の現代では、この姿は女性にも(女性にこそ?)当てはめられるような気がします。
実際、私自身も、埋もれそうでもがき続けて、でも心の片隅で「まぁ、しょうがないか」と諦めかけてるんだなぁ、と。
共感しました。


★★★★★


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category: 安部 公房

thread: 文学・小説 - janre: 小説・文学

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