■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『ブルータワー』石田 衣良  

ブルータワー (徳間文庫 い 43-4)ブルータワー (徳間文庫 い 43-4)
(2008/03/07)
石田 衣良

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悪性の脳腫瘍で、死を宣告された男が200年後の世界に意識だけスリップした。地表は殺人ウイルスが蔓延し、人々は高さ2キロメートルの塔に閉じこめられ、完璧な階層社会を形成している未来へ。「…この物語は平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。『ブルータワー』へようこそ! 夢みる力が決して失われる事のない世界へ」(著者による内容紹介)



私にとって初・石田衣良。
事前情報がまったくないまま手に取りましたら、なんとびっくり、SFでした。
小中学生の頃はSFばかり読んでいたので、懐かしくも嬉しい作品でした。
また、著者もあとがきで書いていることですが、最近日本のSFに勢いがないですよね。
でもそれは、30年ほど前にはホラーやファンタジーは今ほど確立したジャンルではなくて、SFの中に含まれていたんだと思います。
実際、私が好んで読んでいたSFも、いわゆるスペースオペラではなく、今で言えばホラーに含まれるようなものが多数でした。

この作品は、スペースオペラではありませんが、タイムスリップ、未来戦争というよくあるSFネタに、911やBird Flu、細菌兵器などタイムリーなスパイスを利かせてます。
そして、劇画やハリウッド映画に出てきそうなキャラたちと友情や信頼関係など、「気恥ずかしいな」と思いながらも目が離せません。
話の流れからして、ハッピーエンドの勧善懲悪、綺麗に丸く収まるんだろうなぁと予測できていても、エンターテイメントとして純粋に楽しめた作品でした。


★★★★★


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『償い』矢口 敦子  

償い (幻冬舎文庫)償い (幻冬舎文庫)
(2003/06)
矢口 敦子

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36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?感動の長篇ミステリ。 (「BOOK」データベースより)



これは非常に好き嫌いの分かれる作品だと思います。
まず、登場人物がみんな可哀想。
痛々しくて、目を背けたくなる。
主人公はホームレス探偵という、ぱっと聞いただけでは奇抜でそそられる設定ですが、彼が抱える苦悩が大きすぎて、もうそれだけで暗い小説になりそうです。

社会派ミステリという意味で、ちょっと宮部みゆきに似てるかも?と思ったんですが、もっと深い、というか、あー、やっぱり暗くて救いがないのかなぁ。
でも、正直言って私は好きです、この作品。
話の軸にもなっている「心を傷つけても裁かれないのか」とは、もうずいぶん前から私も考えていたことだったので。

解説でも書かれていますが、きっと何度も読み返すほどに、感動が深くなるんじゃないでしょうか。


★★★★★


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『閉鎖病棟』帚木 蓬生  

閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟 (新潮文庫)
(1997/05)
帚木 蓬生

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とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)



たくさんのミステリ作品を書いてる作家さんなので、これもそうかと思って読み始めましたが……推理小説ではなく、ヒューマンドラマというか、文学のような作品でした。

中絶費用を捻出するために売春する女子中学生から物語は始まり、次の章ではいきなり終戦直後の復員兵へと焦点が移るため、読み始めてしばらくは戸惑いました。
でも、淡々とした語り口で精神科病棟の入院患者たちの過去や人間関係が描かれて、やがてそれらが一本に縒り合わさっていく……そんなお話。
殺人事件が起こるのはだいぶ後になってからだし、殺人事件がこの小説の中心ではないので、軽いテンポでさくさく読めるエンタメ小説を期待してると、挫折してしまうかもしれません。
しかし、最後は泣けます。

障害者の中でも、目を背けられることの多い彼らは、家族に捨てられるように20年、30年と病院で暮らし、その間誰も面会に来ないケースもあります。
さらには、犯罪者ですら精神疾患が認められると強制入院となり、警察でさえ目を向けようとしない……実際は開放病棟であるのに、それは閉鎖病棟だと著者は述べています。
いろいろ考えさせられた作品。


★★★★☆


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『空中ブランコ』奥田 英朗  

空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)
(2008/01/10)
奥田 英朗

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伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、先端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が……。
この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒される名医か!? 直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾!
(表4より)



シリーズ第1弾の『イン・ザ・プール』はまだ読んでませんが、短編集なので話の流れに問題はないです。

まず、この作家さんの独特の文体にびっくりして、数行読んで経歴を探しましたら……、ああ、なるほど、コピーライターの経験があるのですね。
短い文章の中の単語のひとつひとつが、すごく厳選されてる印象なんです。

ストーリーとしては、いろんな方も書いていらっしゃいますが、ユーモアに溢れてて笑えます。
伊良部医師と看護士・マユミのコンビが目に浮かぶようです。
そしてどのお話もハッピーエンドで、優しい人ばかりで、読後は気持ちがほっこり。
私は特に『義父のヅラ』で、終始ニヤニヤしながら読んでました。

笑って、ほっこり、おまけに文体が読みやすくて字も大きい……「ちょっと疲れたなー」という時に読みたい本です。


★★★★☆


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『死神の精度』伊坂 幸太郎  

死神の精度 (文春文庫 (い70-1))死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
(2008/02/08)
伊坂 幸太郎

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1:CDショップに入りびたり2:苗字が町や市の名前であり3:受け答えが微妙にずれていて4:素手で他人に触ろうとしない――そんな人物が身近に現われたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
(表4より)



6つの短編から成り、それぞれが切ない恋愛小説、ロードムービー(映画じゃないけど)、任侠もの、密室ミステリ、と、違う味付けになってます。
そして、全然違う舞台のストーリーが、何気に繋がっていたりして、巧妙な伏線も楽しめました。
主人公の死神、映画では金城武が演じるそうですが、似合ってると思います。

ところで、私にとっては初・伊坂幸太郎でしたが、この作家さんの文章はかなり好みですね。
冷静でいてユーモアもあって、強弱のリズムみたいなのがすごくうまい。
描写や比喩もくどすぎず浅すぎず……なんというか、小気味のいい文章を書かれる方だなぁ、という印象でした。
ともするとコミックに出てきそうな主人公のキャラクターですが、軽すぎないのがいい。
長編推理小説の方も、ぜひ読んでみたいです。


★★★★★


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『最後の記憶』綾辻 行人  

最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)
(2006/02)
綾辻 行人

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若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き―両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説。 (「BOOK」データベースより)



『館シリーズ』のような、どんでん返しの本格ミステリではありません。
なんとなく『囁きシリーズ』に近い雰囲気があるけど、これはジャンル分けが難しい作品ですね。
ホラーとミステリとファンタジーとSFと……いろいろ混じっている感じ。
『眼球奇譚』を彷彿させるし、読みながら『殺人鬼』を思い出してしまったり。

『館シリーズ』が好きな方にはイマイチかもしれませんが、霧のかかったようなノスタルジックな空気が私は好きです。
でも欲をいうなら、“現実”で片付けてほしかったですね。


★★★☆☆


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『背の眼』道尾 秀介  

背の眼 上 (1) (幻冬舎文庫 み 11-1)背の眼 上 (1) (幻冬舎文庫 み 11-1)
(2007/10)
道尾 秀介

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オカルトなの? ミステリなの??

と思いましたら、ホラーミステリというジャンルらしいです。


霊だとか心霊写真だとか呪いだとか、さらには天狗やら土着の伝説やらも出てきて「ホラーじゃん?」とブルブルしながら読み進めれば、下巻ではしっかりミステリです。
でも、それでもちゃんと現実的な理屈で解き明かされず、霊の仕業で終わってる部分もあって、ミステリとして読むとスッキリしないんですが、ホラーだと思えば許せるし、登場人物たちの背後にあるそれぞれの悲しい過去などは、なかなか深い設定だと思いました。
(子供が被害者の、しかも連続殺人事件は読んでいてつらいですが)


上巻の前半で、「レエ、オグロアラダ、ロゴ…」という不気味な声の意味がわかった時点で鳥肌が立ち、引き込まれます。
デビュー作ながら、上下巻一気読みさせられました。
ちょっと京極風味&横溝風味で、なかなか好み。

作家の道尾くんが主人公だったり、相棒の真備先生のキャラや風貌などは、島田荘司の御手洗+石岡や、有栖川有栖の火村+アリスを連想させます。



★★★★☆


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背の眼 下 (3) (幻冬舎文庫 み 11-2)背の眼 下 (3) (幻冬舎文庫 み 11-2)
(2007/10)
道尾 秀介

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『おれに関する噂』筒井 康隆  

おれに関する噂 (新潮文庫 つ 4-5)おれに関する噂 (新潮文庫 つ 4-5)
(1978/05)
筒井 康隆

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筒井作品で一番好きな短編を挙げろ、と言われたら、私は迷わず『熊の木本線』です。
が、これを読んだのはもう30年ぐらい前。
おまけに度重なる引っ越しで筒井本は出たり入ったり。
一体どの短編集に収録されていたのか、最近無性に読みたかったのですが、見つけられませんでした。

今日やっと発見。
数ある短編集の中でもこれは秀逸。
そして『熊の木本線』は、やはりとても怖いお話でした。



★★★★★


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『東京伝説―うごめく街の怖い話』平山 夢明  

東京伝説―うごめく街の怖い話 (竹書房文庫)東京伝説―うごめく街の怖い話 (竹書房文庫)
(2003/04)
平山 夢明

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著者は『超怖い話』で知られるライターさん。
この短編集も取材を元に書かれたそうで、真偽のほどはわからないのですが……なかなか楽しめます。
というか、そこそこ怖いです。

心霊系ではなく、幽霊等は一切でてこないのですけど、そこがまた現実味があって怖い。
また、舞台が生身の魑魅魍魎が集まる東京ってとこがリアル。
こういう話も書いてみたいなーって思いました。
都市伝説のように多くの人が知っている話じゃなくても、自分が見聞きした『怪談』もあるんで。


暇つぶしに最適な一冊。
(全然暇じゃなかったんだけど!!)



★★★★☆


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