■ 慢性濫読 ■
ミステリ多めの読書メモ。児童書からラノベ、洋書と何でも読みます
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『魔王』伊坂 幸太郎
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自分の念じた言葉を相手にしゃべらせることのできる不思議な力をもった兄と、並外れた運と記憶力をもった弟。
内閣解散、衆参同時選挙を目前に、世間の注目を集める一人の政治家にムッソリーニとダブるファシズムの陰を感じた兄は、自分の“腹話術”と呼ぶこの力を使って世相の流れを食い止めようとするのだが……、というお話。
偶然なんですが、ここのところプロパガンダや反戦、民族紛争、イデオロギー抗争などの本を立て続けに読んでいて手にした本だったので、まったくの娯楽小説にもかかわらず、リアルすぎてゾッとするものがありました。
プロパガンダに煽動され、暴徒と化す市民の恐ろしさなど、「こ、これは政治ホラー!?」と思うほど。
全体的にはミステリとは呼べないかも知れません。
今までの伊坂作品とはちょっと違う感じ。
兄目線の第1部『魔王』と、その5年後の弟の恋人(妻)の目線で語られる第2部『呼吸』で構成されます。
たくさんの謎を残したまま終わっているので(謎についてはネタバレになるので触れませんが)、読後はいつものスッキリ感が乏しいですが、続編の『モダンタイムス』に期待したいと思います。
★★★★☆
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