■ 慢性濫読 ■

ミステリ多めの読書メモ。児童書からラノベ、洋書と何でも読みます

『イニシエーション・ラブ』乾 くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ (文春文庫)
(2007/04)
乾 くるみ

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内容(「BOOK」データベースより)
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。



これほどレビューを書きにくい作品はなかなかないと思う。

合コンで出会った20代前半の男女の恋愛模様が、最初から最後まで淡々と続きます。
最後の3行をのぞいては。


「必ず二回読みたくなる」というのに引かれて読んでみました。
いわゆる叙述トリックというのでしょうか。
これを思いついたアイディアは秀逸だけど、このトリックを使うためだけに書かれたような印象を受ける作品です。
恋愛ストーリーそのものには、特に深みも感じられませんでした(というか、意図してそう書かれているのかも)。

確かに読み直したら全然違う印象の作品になりそうですね。
でも注意深く読んでると、1度目でも「あれ?なんか不自然」って感じる箇所があちこちに。

私が一番驚いたのは、この作家さんが男性だということ!


★★★☆☆




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あ、でも一応、解説みたいなのも書いておこうかな。
以下、追記に思いっきりネタバレしてますので要注意。




読み終わりましたよね?



ネタバレはOKですか?













つまり、『たっくん』は別々の2人の人物で、マユはいっとき二股かけてたわけです。
時間の流れとしては、side-Bが先、と考えれば自然につながります。

side-Bの会社員たっくんと遠距離恋愛していたマユが、友達と一緒に行った海水浴……それがside-Aの大学生たっくん&合コン仲間との海水浴だったんです。
大学生たっくんと知り合った合コンにマユがしていた指環は会社員たっくんから贈られたもの。
大学生たっくんに『俺』と自称することやオシャレをすすめたのは、どこか会社員たっくんと重ねてたからだし、初エッチの時だってとてもバージンとは思えないリアクションで不自然。
などなど、探せばたくさんの『綻び』が見つかりますよ。
第一、『夕樹』という名前に『たっくん』という呼び名は、ちょっと無理がありますよね。

まぁそれでも、「よくあるダブル二股? 夕樹がちょっと可哀想かも」という印象が残っただけで、ミステリと呼ぶには疑問な作品でした。

コメント

はじめまして。

イニシエーションラブ、私も読みました!
確かに有樹くん可哀想でしたね。

まさに「このトリックを使うためだけに書かれたような」作品で、話としてはイマイチでした・・・。

いらっしゃいませ^^

>紙魚さん
はじめまして。コメントありがとうございます(^^)
この作品は、宣伝コピーや「びっくりでした!」、「最初から読み直しました!」という評判ばかりが耳に入ってきていたんだなぁ、と、読了してからちょっと溜息出ました。
確かに未読の人には「最後に驚きますよ。もう一度読みたくなりますよ」という以上には説明できない作品なんですけどね。
『もう一度読みたくなる』の意味を、私は取り違えていたみたいです。あはは。
あまりミステリに馴染みのない方には、オススメの作品かもしれませんね。

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プロフィール

ゆう

Author:ゆう
「趣味は読書」と言えるほどの数は読んでいませんが、文学作品から官能小説やBLまで、何かを読んでいればシアワセです。
小中学生時代は読書に否定的な両親に隠れてヴェルヌ、シートン、ブラッドベリ、江戸川乱歩、筒井康隆、小松左京、横溝正史、萩尾望都、竹宮恵子らを栄養に育ち、高校生〜30代前半は村上龍、山田詠美、片岡義男、島田荘司、綾辻行人に入れ込み、最近はスタインベック、伊坂幸太郎、有川浩、道尾秀介、三津田信三、桜庭一樹らが気になって仕方ない人生の半ば過ぎ。日頃の出費に対する言い訳は、「本は別腹」。
テキスト専門で自給自足もする同人好き(絵描きさんを崇拝)。
2001年よりカリフォルニア州在住。コミュニティカレッジで勉強中の英語が苦手な学生主婦。日常の子育て、大学、オタクな話題はこちら
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