■ 慢性濫読 ■
ミステリ多めの読書メモ。児童書からラノベ、洋書と何でも読みます
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『空色の地図』梨屋 アリエ
![]() | 空色の地図 (ハートウォームブックス) (2005/12) 梨屋 アリエ 商品詳細を見る |
内容(「BOOK」データベースより)
ある日突然、中学三年の初音のもとに、差出人のわからない封書が届いた。中には、八歳の夏休みに、未来の自分に宛てて書いた手紙が入っていた。あれから六年。なぜ今になって届いたのだろう。あの夏だけの「親友」の美凪が、投函したのだろうか…。少女たちの揺れ動く心をみずみずしく描いた物語。
初音は中3、受験生。
最近、生まれて初めて自分の嫌なところに気づいてしまったり、本当の友達なんていないんじゃないかって悩んだり、親の掲げる志望校に自信を失ったり……つまりは普通の中学3年生の女の子だ。
そんなある日、6年前の自分が書いた手紙が届いて、とたんにすっかり忘れていた記憶が蘇る。
あの夏を過ごした祖母の家。
その近所にいた美凪という泣き虫の女の子。
すると突然、美凪とのひと夏の友情がかけがえのないものに思えてきて、会いに行く決心をする………。
なんだか、自分が目を背けて過去に置き去りにしてきた苦しい気持ちを、「ほら、忘れ物だよ」と目の前に突きつけられるようなお話でした。
あいたた。
でもたぶん、この作品を読んだ大人の多くが、同じような気持ちになるんじゃないかな。
片想いな友情、寂しさ、将来への不安、祖父母との死別、両親の離婚、お金を稼ぐということ、埋めた宝物……。
受験によって強制的に将来を考えさせられ、でもまだまだ子供で、と、そんなお年頃でしたよね。
「どうせ子供向けの話でしょ?」と期待しないで読み始めたけど、中学生が対象読者の児童書って、こんなこところまで複雑な気持ちを書いていいんだ、と少し驚きました。
ケータイ小説が中高生の間でスタンダードになってる昨今ですが、多くの15歳の心理はこの本に近いんじゃないかな。
援助交際やレイプや中絶は出てこないけど。
読みながら、「あ、やだ、昔の私みたい」とだんだん苦しくなって、でも読後は浄化されたように爽やかです。
いいお話です。
★★★★☆
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