■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『モーターサイクル・ダイアリーズ』エルネスト・チェ・ゲバラ  

モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)
(2004/09)
エルネスト・チェ ゲバラ

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内容(「BOOK」データベースより)
二十三歳の医学生エルネストは、親友アルベルトと共に中古のバイクに乗って南米大陸縦断の旅に出る。金も泊まるあてもなく、喘ぐバイクでアンデスを超え、船倉に隠れて密航し、いかだでアマゾン川を下る。様々な出会いと別れ、そして初めて目にする過酷な現実。この旅の記憶が、エルネストの運命を変えた―。青年ゲバラが綴った真実の記録。



以前読んだ戸井十月著『チェ・ゲバラの遥かな旅』は、言ってみれば戸井氏が編集した、親友とオートバイで旅に出る医学生・エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナが、革命家・エルネスト・チェ・ゲバラとして生涯を閉じるまでの半生の“サマリー”だったけれど、こちらはゲバラ本人が書いたカストロと出会う前の、ゲリラとして戦闘に身を投じる前の、恵まれた家庭で育ち世間知らずで好奇心旺盛なボンボン学生(1950年代前半のアルゼンチンにおいては)の、行き当たりばったりな旅の記録です。

『日記』というタイトルになってはいますが、本文中に日付はないので、旅が終わってから記憶に頼って印象的な部分だけを抜き書きした回顧録のようなものだと思われます(死後、ゲバラの娘によって発見され、出版に至った)。

少し年上の親友・アルベルト(当時すでに大学は卒業して、医師免許も取得していた)と、「とにかくアメリカに行ってみないか?」と綿密な計画も立てずに、オンボロバイクにタンデムしてアルゼンチンのコルドバから一旦大西洋を望み、チリをひたすら北上していく。
途中、さまざまな人々との出会いや、初めて見る風景などに感動したり憤ったり。
それまで考えたこともなかったことを考えさせられたり。
特に、先住民族であるインディオたちが差別を受ける理不尽さや、社会主義に生きる人々の悲しいまでのひたむきさには多くの行数が割かれ、目からウロコだったんだろうなぁと想像させられました。

旅の後半は、オートバイが修理不可能なほど壊れてしまったため、ヒッチハイクや貨物船に紛れ込んだりして旅を続けます。
お金が尽きればバイトし、出会った人に食事や一夜の宿をすがって、時には恩返しをしたり逃げ出したり。
けれど、自分たちの生活でいっぱいいっぱいな、決して裕福とはいえないチリの人々の“客人はとにかく歓迎する”といった温情も、国境を越えればガラリと変わってしまうのが印象的でした。
文章はインテリな若者らしく気取ったところもあるけれど、なかなか文学的で上手です。



★★★★☆



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↓追記は読みながら思い出した個人的なこと
読みながら思い出していたのは、私が高2の時に学校の図書館で読んで血が騒いだ、浮谷東次郎の『がむしゃら1500キロ』。
やはり1950年代に、当時中学3年生だった東次郎(のちに23歳で逝去した四輪レーサー。この頃は14歳で原付免許が取れた)が夏休みを利用して、市川~大阪間を50ccのバイクで往復したツーリング日記だ。
当時の東海道は未舗装区間も多くて、さまざまな困難を乗り越えながら、初めて目にする“外界”に感動したり反省したりしながら完走した。
そして、私もそれからいろいろ準備して、高3の夏には250ccのオートバイで1週間2000キロの旅をし、その翌年には1ヵ月、その後は長い休みが取れるたびに、テントと寝袋をリヤシートに積んでツーリングに明け暮れた(というか、ツーリングをしたいがためにフリーランスの仕事を選んだ)。


幸か不幸か私には、アルベルトのような長期の旅を共にできる友達はいなかったけれど(ツーリングの途中で合流したり別行動したりする似た者同士の友はいた)、一人だからこそ味わえる楽しさも辛さもあった。
離島のキャンプ場でしばらく滞在したり、数日間漁船に乗せてもらったり、どうにもこうにも寒くて死にそうで知らない家の呼び鈴を押して薪を分けてもらったり、お寺の敷地内にテントを張らせてもらったり、慣れないくせに登山して自分が高所恐怖症であることに気づいてヤバかったり、大型台風に遭遇してラブホテルに頼み込んで一人で泊まったり、所持金全部盗まれて根室のラーメン屋さんでタダ飯喰わせてもらったり、林道で雪の峠越えをしたり、スポークが折れてしまったのでホイールをかついでバイク店に徒歩で行ったら売り物のバイクから1本外して直してくれたり……それはそれは、貴重な経験をした20代でした(青春の無駄遣い、とも言われるけどw)。
おかげさまで、お金や不動産やファッションにはあまり魅力を感じない、おまけに雑草みたいな女になってしまいましたが(笑)。

この作品を読みながら、そんなこんな思い出して懐かしかったり、自分もツーリングの記録を残しておけばよかったなぁと、ちょっと後悔しました。
やっぱり20年もたってしまうと、細かいエピソードなどは忘れてしまっているし、ひたすら走って、自分の目で見るのが精一杯で、写真もほどんと残ってないから。

旅はいいですよね。
その旅が貧乏で、長期であればあるほど、自分の身に刻まれてゆくと思う。

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