■ 慢性濫読 ■

最近めっきり物忘れがひどいので、簡単な読書メモです。ミステリ多め

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『モダンタイムス』伊坂 幸太郎  

モダンタイムス (Morning NOVELS)モダンタイムス (Morning NOVELS)
(2008/10/15)
伊坂 幸太郎

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検索から、監視が始まる。

岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねぇんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」

(オビより)



命がけの恐妻家であるSEの渡辺は、ある日、失踪した先輩エンジニア・五反田が残した仕事を上司から任され、奇妙なプログラムに遭遇した。
その正体を解読するうち、一見すると何の繋がりもなさそうないくつかの単語に出くわす。
それらのうちの一つは、数年前に私立小学校で起きた大量殺人に関するものだった。
漫画週刊誌『モーニング』で連載された長編サスペンス。


いや~、面白かったです!
まさに「I couldn't put this on! 」という表現がぴったりなほど、お風呂中も食事中も手放せませんでした。
しかも、なんたって伊坂さんですからね、伏線も台詞のひとつひとつも逃さないよう、じっくりと没頭。

今回もまた、濃いキャラに囲まれた普通の人な主人公が巻き込まれていく話で、たとえば“夫の浮気を疑った妻に雇われた男に拷問される”なんて絶対あり得ないようなことなのに、サラリと読まされてしまう伊坂ワールドです。
でもね、その昔、鈴木光司の名作ホラー『リング』を初めて読んだ時に再認識したのだけど、フィクションでは、自分の身に実際に起こりそうなことほど、恐怖をかき立てられるんですよね。
いや、拷問屋さんなんて一生お目にかかることはないでしょうけど、ウェッブ検索ができない生活なんて考えられないくらい、私などはネットに依存してますもの。
それに、私のようなド素人でさえも、自分が運営するHPのソースに、隠しページのURLをコメントに紛れ込ませたりといった小細工してますからね。
そういう理由からも、本作前半のネットやプログラム上の謎を追いつめてるあたりが、実際に心拍数上がりそうなくらいハラハラドキドキでした。
(作品中で問題になってる単語たちを、実際にググッってみてくださいw)


この前大学のアメリカンヒストリーの授業で教授が言ってたんですけど、「そもそもインターネットは、アメリカが軍事面の便宜上、力を入れて普及させたものであって、特に9-11以降では、ネット上でやり取りされるすべての情報(個人のメールであっても)はCIAによって監視されていると思ってよい」とのこと。
まさか私が日本語で書いてるブログやサイトの駄文などCIAは見てるはずもないけれど、必要があれば個人ユースのホットメールなんか、簡単に閲覧できるってことらしいんです。
そんな話も聞いていたので、この作品は、甘い警戒心のままネットに依存してる社会に対する警鐘のようにも読めました。


『魔王』の約50年後という設定で、続編とのこと。
かわいいおばあちゃんになった安藤詩織も出てきます。
でも、この『モダンタイムス』単独で読んでも充分楽しめるんじゃないかな。
今回もまた、伊坂さんのメッセージがもりだくさんなので、そこらへんも読み解いてしみじみしました。
主人公・渡辺の友達で、俗物っぽい作家の井坂好太郎もいいことたくさん言ってますから(ちょっと鬱陶しいけどw)、これも伊坂さんの分身からのメッセージとして読みとっていいと思いますよ、絶対。
(だってほんとに伊坂さんの作品には、嬉しいほど体言止めがないんだもの)

そうそう、そういえば、伏線(?)が謎のまま放置されて終わってる、とのマイナス意見も聞かれますが、そのくらい、他の作家さんに較べたら気になりませんよ。
これまでの伊坂さんの作品が、こだわりすぎるくらい伏線の回収にこだわていたんじゃないかと思えるほどで。
むしろ、最後まで明かされなかった渡辺の妻・佳代子や愛人・桜井ゆかりの素性や、謎のクライアント・ゴッシュの正体などは、次の作品に繋がればいいよ!
と、続編を熱烈に期待。





連載中のイラストも収録した『特別版』も欲しくなるなぁ。

モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)
(2008/10/15)
伊坂 幸太郎

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伊坂さんは、文庫化に際して加筆する作家さんなので、文庫になったらぜひまた読んでみたい作品です。
そのくらい面白かった!




★★★★★





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